リツキサンのバイオ後続品が発売されました。 | ぼうそう医薬情報室

リツキサンのバイオ後続品が発売されました。

2018年1月18日、リツキシマブBS点滴静注「KHK」が発売されました


(協和発酵キリンwebサイトより)

参考 リツキシマブBS点滴静注100mg、500mg「KHK」の国内販売開始のお知らせ[PDF]協和発酵キリン

 

販売は協和発酵キリン

製造販売承認はサンドが取得しておりますが、国内の販売・マーケティングは協和発酵キリンが実施します。
文献請求や問い合わせ先も協和発酵キリンなのでご注意ください。

といっても屋号が「KHK」(Kyouwa Hakkou Kirin)ですからね。
むしろ製造販売がサンドだってことを忘れそうです。

ちなみに「KHK」の屋号は今回は初登場だったりする。

薬価はリツキサンの約57%

バイオ後続品の薬価算定式は、以下のとおりです。3)

バイオ後続品の薬価=(先発品の薬価ー新薬創出加算)×0.7
*内用剤で、銘柄数が10を超える場合は0.6掛け
*臨床試験の充実度に応じて、10%まで加算がつくことあり

今回の場合は、リツキサンが新薬創出加算品目である4)ため、先発品の約57%という中途半端な薬価になったものと思われます。

リツキサンの薬価 リツキシマブBS「KHK」の薬価
 100mg10mL1瓶:43,641円 100mg10mL1瓶:24,930円
 500mg50mL1瓶:213,815円 500mg50mL1瓶:122,143円

ちなみにリツキサンは、2018年度診療報酬改定時に市場拡大再算定を受けることが決まりました。5)
そしてその際にリツキシマブBS「KHK」も道連れになります。

具体的にどれくらい下がるのかは計算できなかったのですが、Maxで「加算を取っ払った先発品の薬価の75%」まで下がる6)ので、数万円単位で下がるかと思います。

リツキサンはともかく、リツキシマブBS「KHK」の方はちょっとかわいそう。
そして在庫管理を考えると、薬価改定まで発注量どうするか考えちゃいますね。

注意!リツキサンと適応が違います

下記のとおりリツキサンとはカバーする適応が違いますので、全面切替は難しいかもしれません。

リツキサンの適応 リツキシマブBS「KHK」の適応
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫 CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患 免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患
ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎 ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
難治性のネフローゼ症候群 (頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)  –
慢性特発性血小板減少性紫斑病  –
下記のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植
 –
インジウム (111In) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液及びイットリウム (90Y) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液投与の前投与  –

リツキサンは既に「後発医薬品のある先発医薬品」に分類済み

後発品の置き換え率に関することです。
リツキサンは2017年12月1日に「後発医薬品のある先発医薬品」へ分類されています。7)
つまり後発品の数量シェア(置き換え率)の分母に、既にリツキサンがいらっしゃるということです。

非ホジキンリンパ腫など、リツキシマブBS「KHK」の適応疾患でリツキサンの使用数量が多い場合には、採用を検討しても良いかと思います。

復習。バイオ後続品(バイオシミラー)と後発医薬品は何が違うのか

バイオ後続品は「既に販売承認を与えられているバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の医薬品」と定義されています。8)
個人的には、ざっくりバイオ医薬品(一般名の後ろに、大体「遺伝子組換え」って付くヤツ)の後発品って思っておけば良いかなーと思います。

薬剤師として覚えておかないといけない点は、

同一有効成分かはわからない(あくまで同等/同質性が担保された成分)
非臨床試験、臨床試験を実施している(内容は先発品と少し異なります)
適応症が違う(狭い)ことが多い

あたりでしょうか。
この辺あまり詳しくないので、異論助言募集中です。

 

ちなみに、バイオ医薬品って具体的にどれー?という方は、国立医薬品食品衛生研究所のwebサイトに一覧がありますので、ご参照くださいませ。
あんまり見たことなかったのですが、とても丁寧にまとめられてました。これから参考にしようっと。

参考 承認されたバイオ医薬品国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部

 

バイオ後続品の適応症については、日本化薬さんのWebサイトが詳しかったです。
個人的には「抗体薬のバイオシミラーについて」と「バイオシミラーの適応症について」の項が、わかりやすくてマニアックで好きです。
適応症は、バイオ後続品が臨床試験を実施した適応と同じ作用機序で効く適応は外挿できるけど、違う作用機序だと臨床試験が必要なんですね~。さっぱりわからん。

適応症の違いは気になるところなので、勉強して後日まとめます~。

参考 早わかりバイオシミラー日本化薬(医療関係者向け)

 

参考文献
1)リツキシマブBS点滴静注100mg・500mg「KHK」, 添付文書, インタビューフォーム.
2)リツキサン注10mg/mL, 添付文書, インタビューフォーム.
3)薬価算定の基準について, 保発0210第1号, 平成28年2月10日,
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=330790&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000112492.pdf.
4)平成28年度診療報酬改定について「(別添1)新薬創出・適応外薬解消等促進加算対象品目リスト」, 厚生労働省,
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114720.pdf.
5)中央社会保険医療協議会 総会(第384回)資料「市場拡大再算定について」, 厚生労働省,
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191268.pdf.
6)中央社会保険医療協議会 総会(第384回)資料「薬価算定の基準について(案)」, 厚生労働省,
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191267.pdf.
7)各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報, 厚生労働省,
http://www.mhlw.go.jp/topics/2017/11/xls/tp20171129-01_5.xls.
8)バイオ後続品の承認申請について, 薬食発第0304004号, 平成21年3月4日,
http://www.nihs.go.jp/dbcb/TEXT/yakusyokuhatu-0304004.pdf