ベガ錠が販売中止になります。

小野薬品工業の気管支喘息治療薬「ベガ錠100mg・200mg」が販売中止になります。


(小野薬品工業業webサイトより)

参考 気管支喘息治療剤 ベガ錠 販売中止のご案内[PDF] 小野薬品工業(医療従事者向け)

中止時期はいつ?

2018年5月以降に中止予定です。

規格 最終出荷時期
100mg PTP100錠 2018年5月
200mg PTP100錠 2018年7月
200mg PTP500錠 2018年9月

ベガってどんなくすり?

販売名 ベガ錠100mg・200mg
名前の由来 (IFに記載ナシ)
一般名 オザグレル塩酸塩水和物
会社名 小野薬品工業(株)
薬効 トロンボキサン合成酵素阻害剤
効能・効果 気管支喘息
販売開始時期 1986年8月(ゲル)

ベガは、1992年に発売された経口の気管支喘息治療薬で、トロンボキサン合成酵素阻害剤です。
ベガっていうとスト●ートファ●ターしか思い浮かびません。という位個人的には縁の無いおくすりです。

オザグレル業界では、どちらかというと脳梗塞に使うカタクロット注射液の方が有名な気がします。
ちなみに、オザグレルには血小板凝集抑制作用と気道過敏性&気道収縮の抑制作用の両方の作用があるので、気管支喘息にも脳梗塞にも効くのですね。

販売名(一般名) 適応
ベガ錠100mg・200mg
ドメナン錠100mg・200mg
(オザグレル塩酸塩水和物)
気管支喘息
カタクロット注射液20mg・40mg
注射用カタクロット20mg・40mg
キサンボンS注射液20mg・40mg
キサンボン注射用20mg・40mg
(オザグレルナトリウム)
1.クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
2.脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善

なんで中止になったの?

「年々需要が減少し、製造販売の継続が困難となって参りました。」とのことです。

「喘息予防・管理ガイドライン2015」でも、トロンボキサン合成酵素阻害剤は基本治療ではなく追加治療に位置付けられています2)し、あまり使われなくなってきたんですかねぇ。

代替品はあるの?

同一有効成分の薬剤としては、併売品のドメナンと、後発品のオザグレル「KN」があります。
ドメナンは特に販売中止のお知らせ出てないので、きっとまだ販売してくれるはず…!

販売名 会社名
ドメナン錠100mg・200mg キッセイ薬品工業
オザグレル錠100・200「KN」 小林化工
※200のみ、日医工併売

あとはちょっと作用部位が違いますが、トロンボキサンA2受容体拮抗薬もあります。こちらは後発品ありません。

販売名(成分名) 会社名
バイナス錠50mg
(ラマトロバン)
バイエル=日本新薬
ブロニカ錠40・80、顆粒10%
(セラトロダスト)
武田テバ薬品

 

参考文献
1)気管支喘息治療剤 ベガ錠 販売中止のご案内, 小野薬品工業(株),
https://www.ononavi1717.jp/drug_info_files/drug_info/vega/info/21000088/VG-shirase.pdf.
2)一社)日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修, 喘息予防・管理ガイドライン 2015.