4月11日に開催された中医協で、新医薬品の薬価収載が了承されました。
その後4月17日に告示、4月18日薬価収載されてました。
目次
- 1 2018年4月18日収載の新医薬品
- 2 留意事項通知が発出(2018.4.18追記)
- 3 最適使用推進ガイドラインも発出(2018.4.18追記)
- 4 薬価の決めかた
- 4.1 レキサルティ:エビリファイと薬価合わせ
- 4.2 アトーゼット:ゼチーアと薬価合わせ(配合剤の特例)
- 4.3 ネキシウム懸濁用顆粒分包:ネキシウムと薬価合わせ【加算あり】
- 4.4 グーフィス:アミティーザと薬価合わせ
- 4.5 リムパーザ:原価計算方式で算定【加算あり】
- 4.6 シダキュア:シダトレンと薬価合わせ【加算あり】
- 4.7 サチュロ:デルティバと薬価合わせ
- 4.8 イブリーフ:原価計算方式で算定
- 4.9 ファセンラ:ヌーカラと薬価合わせ
- 4.10 ベスポンサ:原価計算方式で算定【加算あり】
- 4.11 イストダックス:ジフォルタと薬価合わせ
- 4.12 テセントリク:オプジーボと薬価合わせ
- 4.13 デュピクセント:原価計算方式で算定【加算あり】
- 4.14 ナルベイン:オキファストと薬価合わせ
- 4.15 アレサガ:ルパフィンと薬価合わせ
- 5 雑談:今回の薬価算定の感想
2018年4月18日収載の新医薬品
販売名(一般名) | 規格単位 | 薬価 |
レキサルティ錠 (ブレクスピプラゾール) |
1mg1錠 2mg1錠 |
268.90円 509.20円 |
アトーゼット配合錠 (エゼチミブ/アトルバスタチンカルシウム水和物) |
LD 1錠 HD 1錠 |
177.00円 177.00円 |
ネキシウム懸濁用顆粒分包 (エソメプラゾールマグネシウム水和物) |
10mg1包 20mg1包 |
80.60円 140.30円 |
グーフィス錠 (エロビキシバット水和物) |
5mg1錠 | 105.80円 |
リムパーザ錠 (オラパリブ) |
100mg1錠 150mg1錠 |
3,996.00円 5,932.50円 |
シダキュアスギ花粉舌下錠 (スギ花粉エキス原末) |
2,000JAU1錠 5,000JAU1錠 |
57.70円 144.10円 |
サチュロ錠 (ベダキリンフマル酸塩) |
100mg1錠 | 21,872.50円 |
イブリーフ静注 (イブプロフェン L-リシン) |
20mg2mL1瓶 | 13,012円 |
ファセンラ皮下注シリンジ (ベンラリズマブ(遺伝子組換え)) |
30mg1mL1筒 | 351,535円 |
ベスポンサ点滴静注用 (イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)) |
1mg1瓶 | 1,307,092円 |
イストダックス点滴静注用 (ロミデプシン) |
10mg1瓶 (溶解液付) |
109,753円 |
テセントリク点滴静注 (アテゾリズマブ(遺伝子組換え)) |
1,200mg20mL1瓶 | 625,567円 |
デュピクセント皮下注シリンジ (デュピルマブ(遺伝子組換え)) |
300mg2mL1筒 | 81,640円 |
ナルベイン注 (ヒドロモルフォン塩酸塩) |
2mg1mL1管 20mg2mL1管 |
725円 6,340円 |
アレサガテープ (エメダスチンフマル酸塩) |
4mg1枚 8mg1枚 |
67.50円 93.10円 |
留意事項通知が発出(2018.4.18追記)
薬価収載の告示と同日付で、何品目か留意事項通知が出ています。
アトーゼット配合錠:14日投薬期間制限の対象外
新医薬品(医薬品医療機器等法第14条の4第1項第1号に規定する新医薬品をいう。)については、掲示事項等告示第10第2号(1)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日分を限度とする。)が適用されるが、掲示事項等告示の改正によって、新たにアトーゼット配合錠LD及び同配合錠HDが当該制限の例外とされた。
ネキシウム懸濁用顆粒分包:使用期間に注意、14日投薬期間制限の対象外
1. 本製剤は、使用期間が、胃潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎(再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を除く。)においては、通常8週間まで、十二指腸潰瘍においては、通常6週間まで、非びらん性胃食道逆流症においては、通常4週間までと限定されていることから、使用にあたっては十分留意すること。
2. 本製剤は、既に薬価収載後1年以上を経過している「ネキシウムカプセル10mg及び同カプセル20mg」(以下「既収載品」という。)と有効成分が同一であり、今般、カプセル剤である既収載品において小児における用法・用量が追加されたことに伴い、当該用法・用量に必要となる製剤として承認された剤形追加医薬品であることから、掲示事項等告示第10第2号(1)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。
グーフィス錠 5mg:アミティーザ以外の便秘治療薬が効果不十分時に使用
本製剤の使用に当たっては、他の便秘症治療薬(ルビプロストン製剤を除く。)で効果不十分な場合に、器質的疾患による便秘を除く慢性便秘症の患者へ使用すること。
ついでにアミティーザの留意事項も変わってます。
アミティーザカプセル 24µg
本製剤の使用に当たっては、他の便秘症治療薬(エロビキシバット水和物製剤を除く。)で効果不十分な場合に、器質的疾患による便秘を除く慢性便秘症の患者へ使用すること。
ベスポンサ点滴静注用 1mg:CD22陽性検査実施日をレセプトに記載
本製剤の使用上の注意において「フローサイトメトリー法等の検査によって、CD22抗原が陽性であることが確認された患者に使用すること」とされているので、CD22陽性を確認した検査の実施年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし、本剤の初回投与に当たっては必ず実施年月日を記載すること。
最適使用推進ガイドラインも発出(2018.4.18追記)
今回は、テセントリクとデュピクセントが対象品目なので、それぞれガイドラインと留意事項通知が出ております。
ここでは留意事項通知を抜粋。
テセントリク:該当する施設要件・医師要件をレセプトに記載
(1)テセントリク点滴静注1200mg については、最適使用推進ガイドラインに従い、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用するよう十分留意すること。
(2)本製剤を切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療に用いる場合は、次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
1. 次に掲げる施設のうち、該当するもの(「施設要件ア」から「施設要件オ」までのうち該当するものを記載)
ア 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など)
イ 特定機能病院
ウ 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携協力病院、がん診療連携推進病院など)
エ 外来化学療法室を設置し、外来化学療法加算1又は外来化学療法加算2の施設基準に係る届出を行っている施設
オ 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設2. 次に掲げる医師の要件のうち、本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当するもの(「医師要件ア」又は「医師要件イ」と記載)
ア 医師免許取得後2年の初期研修を終了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行なっていること。
イ 医師免許取得後2年の初期研修を終了した後に4年以上の臨床経験を有していること。うち、3年以上は、肺癌のがん薬物療法を含む呼吸器病学の臨床研修を行っていること。
最適使用推進ガイドライン自体は、PMDAに掲載されています。
参考 最適使用推進ガイドライン(医薬品) PMDAデュピクセント:施設要件・前治療要件・疾患活動性を示す数値をレセプトに記載
(1)デュピクセント皮下注 300mgシリンジについては、最適使用推進ガイドラインに従い、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用するよう十分留意すること。
(2)本製剤の投与開始に当たっては、次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
なお、本製剤の継続投与に当たっては、投与開始時の情報を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
1. 次に掲げる医師が本製剤に関する治療の責任者として配置されている施設(「施設要件ア」又は「施設要件イ」と記載)
ア 医師免許取得後2年の初期研修を終了した後に、5年以上の皮膚科診療の臨床研修を行っていること。
イ 医師免許取得後2年の初期研修を終了した後に6年以上の臨床経験を有していること。うち、3年以上は、アトピー性皮膚炎を含むアレルギー診療の臨床研修を行っていること。
2. 本剤投与前の抗炎症外用薬による治療の状況(「前治療要件ア」又は「前治療要件イ」と記載)
ア 成人アトピー性皮膚炎患者であって、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインで重症度に応じて推奨されるステロイド外用薬(ストロングクラス以上)やカルシニューリン阻害外用薬による適切な治療を直近の6カ月以上行っている
イ 成人アトピー性皮膚炎患者であって、ステロイド外用薬やカルシニューリン阻害外用薬に対する過敏症、顕著な局所性副作用若しくは全身性副作用により、これらの抗炎症外用薬のみによる治療の継続が困難
3. 疾患活動性の状況として、次に掲げるすべての項目の数値
ア IGA スコア
イ 全身又は頭頸部の EASI スコア
ウ 体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合(%)
薬価の決めかた
レキサルティ:エビリファイと薬価合わせ
レキサルティは、エビリファイの1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
レキサルティ錠2mg:509.20円(1日薬価:509.20円)
エビリファイ錠6mg:127.30円(1日薬価:509.20円)
妥当。
アトーゼット:ゼチーアと薬価合わせ(配合剤の特例)
アトーゼットは、「ゼチーアの薬価の0.8倍+アトルバスタチン後発品の最低薬価」で算定されました。
新医療用配合剤の特例で算定。
アトーゼット配合錠LD:177.00円(1日薬価:177.00円)
ゼチーア錠10mg:177.00円(1日薬価:177.00円)
アトルバスタチン錠10mg「日医工」他:24.40円(1日薬価:24.40円)
具体的には、まずゼチーア錠10mgの薬価0.8掛けに、アトルバスタチン錠10mg「日医工」等を足した価格でまず算定。
計算結果がゼチーアの薬価を下回ったため、ゼチーアと同額で落ち着きました。
計算式はこんな感じ。
177.00円×0.8+24.40円=166.00円
166.00円≦177.00円
∴ アトーゼットの価格は177.00円
これも思ったとおりかなー。
ネキシウム懸濁用顆粒分包:ネキシウムと薬価合わせ【加算あり】
ネキシウム懸濁用顆粒分包は、同一成分のネキシウムカプセルに合わせて薬価が決められました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
この際、剤形が違うため、剤形間比(1.0965)で調整されています。
調整された薬価(133.60円)に小児加算5%を加算し、140.30円となりました。
ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg:140.30円(1日薬価:140.30円)
ネキシウムカプセル20mg:121.80円(1日薬価:121.80円)
計算式でいうとこんな感じ。
121.80円×1.0965≒133.60円
133.60円×1.05≒140.30円
小児加算は、小児を対象とした臨床試験を実施した際に受けられる加算で、5~20%の間で加算されます。
今回は、ネキシウム懸濁用顆粒分包が使われるであろう患者の中に占める小児の割合が少ないことから、5%の加算になっています。
まー確かに小児の患者はそもそも少なそうですし、どちらかというと嚥下困難な高齢者等に使われそうではある。
グーフィス:アミティーザと薬価合わせ
グーフィスはアミティーザと1日薬価を合わせて算定。わかりやすいね。
ただし実使用量や臨床試験の平均投与量に基づいた1日薬価で合わせています。わかりづらいね。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
グーフィス錠5mg:105.80円(1日薬価:215.20円)
アミティーザカプセル24μg:123.00円(1日薬価:215.20円)
添付文書どおりだと、アミティーザは薬価:123.00円(1日薬価:246.00円))、グーフィスは薬価105.80円(1日薬価:211.60円)になるので、パッと見1日薬価が合ってないように見えますね。
平均使用量に基づいた薬価算定って、最近出てきたように感じます。
少しでも薬価を下げたい努力が垣間見えます。。。
リムパーザ:原価計算方式で算定【加算あり】
リムパーザは類薬がないので、原価計算方式で算定です。
臨床上有用な新規作用機序の薬剤であることから、有用性加算が5%つきました。
が、製造総原価の開示度が低かったため、加算係数0.2を乗じることに。
結果、加算は1%となったのでした。
原価計算方式は今回の薬価改定で結構ルールが変わってます。
製造総原価の開示度で、薬価がかなり変わるルールに変更されてます~。
シダキュア:シダトレンと薬価合わせ【加算あり】
シダキュアはシダトレンの1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)に加算10%。
シダキュアスギ花粉舌下錠5000JAU:144.10円(1日薬価:144.10円)
シダトレンスギ花粉舌下液2000JAU:131.00円(1日薬価:131.00円)
加算は2つついてまして、まずは有用性加算(II)。
シダキュア5000JAUは、シダトレン2000JAUと比較して有効性が高いという臨床試験結果が出ているため、5%の加算がされています。
有用性加算(II)は5~30%の間で加算がつくのですが、大体5%がつくイメージ。
次に小児加算。
こちらはネキシウム同様、小児の臨床試験を実施しているため加算されました。
ただし、まだ日本人小児患者のデータが限られているため、5%の加算に留まっています。
ネキシウムとは、加算率は一緒だけど、理由がちょっと違うのだ。
サチュロ:デルティバと薬価合わせ
サチュロはデルティバの1日薬価と合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
サチュロ錠100mg:21,872.50円(1日薬価:24,476.40円)
デルティバ錠50mg:6,119.10円(1日薬価:24,476.40円)
こちらも妥当。
イブリーフ:原価計算方式で算定
原価計算方式で算定。
一応、類似薬のインダシン静注用(薬価:6,623円)がありますが、薬価収載から10年以上経過していることから類似薬に設定されなかったそうです。
イブリーフは開発要請品目なので、あんまり薬価が低くなったら可哀相だからですかねー。
多分類似薬の設定ルールに則っているとは思うのですが、わかりませんでした。
無念。
ファセンラ:ヌーカラと薬価合わせ
ファセンラはヌーカラと1日薬価を合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
でもヌーカラがバイアルなのに対してファセンラはキット製剤なので、キット部分の原材料費が加算されています。
ファセンラ皮下注30mgシリンジ:351,535円(1日薬価:6,277円)
ヌーカラ皮下注用100mg:175,684円(1日薬価:6,274円)
キット部分は1日薬価にすると3円分なんですねー。
ベスポンサ:原価計算方式で算定【加算あり】
ベスポンサも類薬が無いので原価計算方式。
加算は2種類ついています。
1つは有用性加算(II)。
新しい作用機序&既存薬とは異なる分子をターゲットにした薬剤であることから、10%の加算がつきました。
もう1つは市場性加算(I)。
オーファンドラッグなので10%加算がつきました。
が、製造総原価の開示率が低いので、どちらも0.2掛けである。
結局合わせて4%の加算。
個人的には有用性加算(I)でも良かったんでないかい?と思うのですが、造血幹細胞移植(HSCT)施行後の全生存期間が化学療法より短かったから、有効性が高いとはみなされなかったんですかね…。残念。
市場性加算も「もう化学療法あるから…。」という理由で限定的な評価となっております。うーんしょっぱい。
イストダックス:ジフォルタと薬価合わせ
2回薬価収載をスキップしたイストダックスさんは、ジフォルタと1日薬価を合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
イストダックス点滴静注用10mg:109,753円(1日薬価:24,694円)
ジフォルタ注射液20mg:89,632円(1日薬価:24,695円)
同じ注射剤ですし、そうだろうなーと思います。
1日薬価が地味にジフォルタより1円低い点に、何がしかの思いを感じる…!
テセントリク:オプジーボと薬価合わせ
テセントリクはオプジーボと1日薬価合わせてます。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
おいでませオプジーボファミリー。
テセントリク点滴静注1200mg:625,567円(1日薬価:29,789円)
オプジーボ点滴静注100mg:278,029円(1日薬価:29,789円)
オプジーボ100mg、最初は729,849円だったのになぁー。
画期的だったばっかりにこんな目にあって可哀相に…。
もっと費用対効果悪い薬剤なんて、その辺にゴロゴロ転がってそうですが。
もごもご。
個人的には最適使用推進ガイドラインの品目は増えるわ費用対効果の品目は増えるわで、PD-1、PD-L1関連はそろそろ打ち止めで良くなーい?と思ってます。
管理が大変なんじゃー。しかもキミタチ違いが分からないんじゃー。
デュピクセント:原価計算方式で算定【加算あり】
デュピクセントは類薬がないので、原価計算方式で算定されています。
有用性加算は、聞いて驚く45%!
臨床上有用な新規作用機序の薬剤であること、実際高い有用性が示されていることから、有用性加算(I)での算定となりました。
ただし、製造総原価の開示率が低いので0.2掛け。
最終的には9%の加算になったとさ。
有用性加算45%というと、タフィンラー&メキニスト(45%)2)や、ダクルインザ(40%)3)と同等ですかね(この子達は類似薬効比較方式ですが)。
オプジーボ(営業利益率+60%)3)よりも、加算率としては高そうです。
最適使用推進ガイドラインも出ますし、今回一番の注目株かと思います!
ナルベイン:オキファストと薬価合わせ
ナルベインは、オキファストと1日薬価を合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
ナルベイン注20mg:6,340円(1日薬価:7,925円)
オキファスト注50mg:1,585円(1日薬価:7,925円)
1日薬価は「通常最大用量のオキファストが投与されている患者で、オキファストからナルベインへ切替えたときの1日あたりの薬価」だそうです。
アレサガ:ルパフィンと薬価合わせ
アレサガは、ルパフィン錠と1日薬価を合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(I)。
アレサガテープ4mg:67.50円(1日薬価:67.50円)
ルパフィン錠10mg:67.50円(1日薬価:67.50円)
ルパフィンとビラノアが類似薬効比較方式(II)で算定されていたので、てっきりアレサガも(II)かと思ったら(I)でした。
他剤と剤形が違うから「薬理作用類似薬が無い」とみなされたんですかねー。
まーでも(II)で算定されたルパフィンと1日薬価合わせだったので、実質(II)で算定されたようなモノですね。
雑談:今回の薬価算定の感想
誰も不服意見を出してない!
毎回数メーカーは薬価算定案に不服意見を提出しているのですが、今回誰も意見していないだと…!
これは今回の薬価算定ルールの抜本改革の成果かなーと思います。
原価計算方式の品目に関しては、不服意見を申し立てても「原価の開示率が低いのが悪いんじゃん。」で一蹴できそうですね。
類似薬効比較方式の方は、今回不服を申し立てられるような画期的新薬がありませんでしたね。
「そんなにいうなら直接比較試験の結果持ってこいや。」で終了しそうです。
提出しなかったネガティブな理由としては、
1. 最近不服申し立てしても全却下される事例が相次いだので、諦めた。
2. 日本市場を見限った
等が推察されますが、2についてはそうでないと思いたいです…!
外国平均価格調整がされていない!
こちらも今回の薬価算定ルールの変更が影響していると考えられます。
ベスポンサやテセントリク、デュピクセントは前回までのルールだと薬価が引き上げられてそうですが、今回米国の参照価格が変更になったこともあり、引き上げになりませんでした。
逆に、今回から薬理作用類似薬がある場合は外国平均価格調整の対象外となったため、ナルベインは薬価引き下げをまぬがれたっぽいです。良かったね。
総原価の開示率ひっくい!
今回、原価計算方式での算定品目のうち、加算があった品目は3つでしたが、すべて製品総原価開示率50%以下(加算係数0.2)!
なんで??
新ルールの準備できてなかったの??
それとも外資だから??(偏見)
今回3社とも50%以下だったのは、かなりガッカリ。
開示率が低いってことは、悪く言えば、言い値で算定しているってことなので、あんまりよろしくないですよね。今後に期待。
あ、ちなみに、加算係数0.2でも、前回までのルールで薬価算定した場合と同じような薬価になるそうです。(中医協情報)
原価計算方式の薬剤は画期的な薬剤が多いので、純粋に加算率で勝負して欲しいものです。
5月収載では加算係数「1」を獲得する企業が出てくると良いな!
(生化学工業の方角を見ながら)
2)中央社会保険医療協議会 総会(第332回) 医薬品の薬価収載について, 厚生労働省, http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000124523.pdf.
3)中央社会保険医療協議会 総会(第281回) 医薬品の薬価収載について, 厚生労働省, http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000055583.pdf.
4)使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について, 保 医 発 0417第3号, 平成30年4月17日, http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180418S0030.pdf.
5)抗PD-L1抗体抗悪性腫瘍剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について, 保医発0417第4号, 平成30年4月17日, http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180418S0040.pdf.
6)抗IL-4受容体αサブユニット抗体製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について, 保医発0417第5号, 平成30年4月17日, http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180418S0050.pdf.
作成:2018年4月12日
更新:2018年4月18日