5月28日に、サイトメガロウイルス感染症の発症抑制薬「プレバイミス」が発売されました。
プレバイミス錠・点滴静注
販売名(一般名) | 会社名 | 備考 |
プレバイミス錠240mg、点滴静注240mg (レテルモビル) |
MSD | サイトメガロウイルス(CMV)ターミナーゼ阻害薬 適応:同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制 |
(MSDwebサイトより)
サイトメガロウイルス感染症は、日和見感染症のひとつです。
日本人は、通常幼少期に産道・母乳・唾液等を介して感染していることが多く2)、ほとんどが不顕性感染の形で、生涯にわたって潜伏感染しています。3)
そのため、移植後のサイトメガロウイルス感染症は、ほとんどが既に感染しているウイルスの再活性化によるものです。3)
サイトメガロウイルス感染症は、一旦発症してしまうと重症化しやすいため、抗ウイルス薬の予防投与や、先制治療(一定以上の再活性化がみられた時点で薬剤を投与すること)が実施されます。3)
今まではデノシン(ガンシクロビル)を用いた先制治療が主流でしたが、今後はこのプレバイミスによる予防投与が第一選択になると見込まれています。
参考 抗サイトメガロウイルス化学療法剤 「プレバイミス錠240mg / プレバイミス点滴静注240mg」発売のお知らせMSDプレバイミスの画期的なポイントは、以下の記事をご参照ください。

参考文献
1)抗サイトメガロウイルス化学療法剤 「プレバイミス錠240mg / プレバイミス点滴静注240mg」発売のお知らせ, MSD(株), http://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2018/product_news_0528.xhtml.2)サイトメガロウイルス感染症とは, 国立感染症研究所, https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/legionella/392-encyclopedia/407-cmv-intro.html.
3)サイトメガロウイルス感染症 第3版(2014年3月改訂), 日本造血細胞移植学会, https://www.jshct.com/guideline/pdf/03m_cmv.pdf.