医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインをまとめてみた!

ガイドラインが発出されました!

2018年9月25日、ガイドラインが発出されました。
適用は2019年4月1日(販売情報提供活動の監督部門に関連する事項は、10月1日)からです。

参考 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて[PDF]厚生労働省

本ガイドラインは、「医薬品製造販売業者等が医療用医薬品の販売情報提供活動において行う広告又は広告に類する行為を適正化することにより、医療用医薬品の適正使用を確保し、もって保健衛生の向上を図ることを目的」としています。

最近医療広告ガイドラインや医薬品等適正広告基準も改正されましたし、事態の深刻さと厚労省の本気を感じますね。

 

「恣意的な情報提供をしない」というガイドラインを恣意的に抜粋・改変してまとめています。個人的にはピンク枠部分が読んで欲しいところ。

パブコメで変更された点は?

パブコメの中で修正もしくはQ&Aで考え方を示される予定の意見は以下のとおり~。

ザックリまとめると、
1. 販売情報提供活動の定義について
2. MRの評価について
3. 未承認薬・適応外薬の情報提供について
ですかね。

1と3はQ&Aが出る予定なので、楽しみに待ちたいと思います~。

いただいた御意見 厚生労働省の考え方
 第1 基本的考え方 2 適用範囲等
(2)販売情報提供活動の定義中、「販売促進を期待して」とあるが、MSL等が販売促進を期待していないと主張する場合、対象外になると誤解される恐れがあるため、「販売促進や製品価値向上を期待して」に変更すべき。
御意見のような誤解が生じないよう、後日、Q&Aを作成し、考え方をお示しすることとさせていただきます。
第1 基本的考え方 3 販売情報提供活動の原則
(1)について、臨床研究法および倫理指針が策定された以前に実施された治験・臨床研究の結果等の資料は使用できないと解釈されるが、それ以前に治験・臨床研究を実施し、現在も繁用されている医療用医薬品も多数あることから、そのような資料も使用可能であることを明記すべき。
御意見については、検討の上、Q&Aにてお示しすることとさせていただきます。
第2 医薬品製造販売業者等の責務
(1)について、役員や従業員に対する評価において報酬はその一部であり、これ以外に昇格、昇進、配置等があることから、「適切な評価制度・報酬の設定」については、「販売担当者等に対する評価」と包括的に記載すれば足りる。併せて他の同様の記載箇所についても修正すべき。
御意見を踏まえ、修正いたします。
(2)について、「販売情報提供活動監督部門」を販売情報提供活動の担当部門から独立した部門に設けることを明記すべき。 原案は御意見の点も念頭に置いていたものですが、より明確化すべく修正いたします。
(7)中、「違反者に対しては」とあるが、「違反」と「不適切」は同義語ではないため、「不適切な活動を行った者に対しては、」とすべきと考える。 御意見を踏まえ、修正いたします。
(7)について、法令、規制、業界自主基準や倫理基準等の違反者に対しては、ルールの遵守状況や違反の程度等を確認、評価した上で、懲戒規定に基づく処分や「注意、教育、指導、適正がないと判断した場合の異動」等の措置を公正に行うよう求められていることから、「違反者に対しては、適切な評価・処分を厳正に行うこと。」については、「本違反者に対しては、適切な評価及び必要な対応を厳正に行うこと。」に修正すべき。 御意見を踏まえ、修正いたします。
企業として記載のある事項に対応するには、人事異動を伴う組織改編、業務記録システムの改修等の社内体制の整備と実効性の検証が必要であり、費用の確保も含めて相応の期間を要することから、ガイドラインの実施時期を少なくとも通知1年後とすべき。 組織・体制の整備に係る事項については、1年程度の準備期間を確保できるようにいたします。
第4 その他
(3)未承認薬・適応外薬に関する情報提供について、より詳細に記載・明示すべき
当該事項については、後日、Q&Aなどをお示しする予定としています。
(3)について、患者独自の判断で適応外の服用を行うおそれがあることから、患者の安全確保に懸念がある場合は医療関係者を通じて当該情報を提供すべきと考える。以上のことから、医療関係者以外の国民、患者やその団体から求めがあった場合でも、医療関係者を通じて提供することが適切と考えられる情報(患者の安全確保に係る情報等)について詳細を解説すべき。 当該事項については、後日、Q&Aなどをお示しする予定としています。
(5)について、「委託元・提携元の販売情報提供活動監督部門による審査を経た」の「審査」については、「承認」とすべき。 御意見を踏まえ、修正いたします。
参考 「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(案)」に関する意見募集の結果についてe-Gov

適用範囲等

対象者は?

  • 製薬会社(コ・プロ含む)
  • 医薬品卸

つまり、医療機関に情報を持っていく可能性のある企業は全部含まれるってことです。

ちなみに、雇用される全ての者に対して適用されます。
MR、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、MSなど、医療機関を訪問する職種はもちろん、PMS担当の人、学術、人事、経理など営業部門ではない人も対象になります。

第1 基本的考え方
2 適用範囲等
(1)本ガイドラインは、医薬品製造販売業者、その販売情報提供活動の委託先・提携先企業(いわゆるコ・プロモーションの相手先企業を含む。)及び医薬品卸売販売業者(以下「医薬品製造販売業者等」という。)が医療用医薬品について行う販売情報提供活動を対象とすること。

(4)本ガイドラインは、医薬情報担当者(「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第135号)第2条第5項に規定する者をいう。)、メディカル・サイエンス・リエゾンその他の名称やその所属部門にかかわらず、医薬品製造販売業者等が雇用する全ての者等に対して適用されること。

 

「販売情報提供活動」って?

  • 特定の医療用医薬品の名称又は有効性・安全性の認知の向上により、
    特定の医療用医薬品の販売促進を期待して、関連情報を提供・伝達すること

能動的・受動的は問いません。
なので、「先生に聞かれたから答えました!」という場合や、昔問題になった「製品名入りボールペン」なども情報提供活動に含まれると思われます。

なお、医薬品だけでなく、効能・効果に関連する疾患啓発も該当します。
こちらは一般人向けのものも対象
良くあるのは「今後糖尿病治療薬が出るから、糖尿病の動画作ろう~」とか、「CM流そう~」とかですね。
薬剤師がCMや電車の中づり公告を見て「このメーカーが糖尿病について公告を出していると言うことは・・・あのクスリの公告か!」ってわかるものは全部該当するかと。
あとは「糖尿病.jp(仮称)」のような、一般向けのメーカーサイトも該当すると思われます。

第1 基本的考え方
2 適用範囲等
(2)本ガイドラインにおいて「販売情報提供活動」とは、能動的・受動的を問わず、医薬品製造販売業者等が、特定の医療用医薬品の名称又は有効性・安全性の認知の向上等による販売促進を期待して、当該医療用医薬品に関する情報を提供することをいい、医療用医薬品の効能・効果に係る疾患を啓発(一般人を対象とするものを含む。)することも含まれること。

 

「販売情報提供活動の資材等」とは?

  • 販売情報提供活動に使用される資料及び情報

こちらは提供方法・媒体は問いません。
紙媒体はもちろん、口頭による説明、PCを見せながらの説明、動画、Webサイトなども該当します。

第1 基本的考え方
2 適用範囲等
(3)本ガイドラインにおいて「販売情報提供活動の資材等」とは、販売情報提供活動に使用される資料及び情報をいい、口頭による説明、パソコン上の映像、電磁的に提供されるもの等、その提供方法、媒体を問わないこと。

販売情報提供活動の原則

販売情報提供活動で守るべきこと

  • 効能・効果、用法・用量等は、承認された範囲内で提供
  • 提供する情報を恣意的に選択しない
  • 科学的・客観的な根拠に基づく、正確な内容を提供
  • 引用情報は、その引用元を明記

どれも当然の内容かと。

ちなみに科学的・客観的な根拠として「第三者による客観的評価及び検証が可能なもの」「論文の査読等を経たもの(承認審査に用いられた評価資料や審査報告書を含む)」等があげられています。

また、引用情報の調査・作成の際に、メーカーからの物品・金銭・労務等の提供があった場合は、その具体的内容を明記しなければいけません。
たまにある「引用元、調べてみたら全部メーカー社員が共同執筆者じゃん・・・!」対策かと。

第1 基本的考え方
3 販売情報提供活動の原則
(1)販売情報提供活動は、次に掲げる要件を全て満たすものであること。
1 提供する医療用医薬品の効能・効果、用法・用量等の情報は、承認された範囲内のものであること

2 医療用医薬品の有効性のみではなく、副作用を含む安全性等の必要な情報についても提供し、提供する情報を恣意的に選択しないこと

3 提供する情報は、科学的及び客観的な根拠に基づくものであり、その根拠を示すことができる正確な内容のものであること
その科学的根拠は、元データを含め、第三者による客観的評価及び検証が可能なもの、又は第三者による適正性の審査(論文の査読等)を経たもの(承認審査に用いられた評価資料や審査報告書を含む。)であること

4 販売情報提供活動の資材等に引用される情報は、その引用元が明記されたものであること
また、社外の調査研究について、その調査研究の実施や論文等の作成に関して医薬品製造販売業者等による物品、金銭、労務等の提供があった場合には、その具体的内容も明記されたものであること
なお、社外の調査研究については、「臨床研究法」(平成29年法律第16号)、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)その他これらに準ずる指針等を遵守したもののみを使用すること。

 

未承認薬・適応外薬の情報提供は?

未承認薬・適応外薬の情報は、求めがあった場合にその人へ提供することは差し支えありません。
ただし、情報提供にあたっては、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 通常の販売情報提供活動とは切り分ける
  • 要求内容に沿ったものに限定する
  • 情報提供先は要求者に限定する
  • 情報提供を求められていないにもかかわらず、求められたかのように装わない
  • 提供する情報は、正確なものでなければならない
  • 要約、省略、強調等を行わない
  • ネガティブな情報についても適切に提供
  • 承認を受けていないことを明確に伝える
  • 経緯、提供先、提供内容等、情報提供に関する記録を作成し、保管する

「情報提供を求められたかのように装わない」って文面ちょっと好きです。
記載せざるをえないほど、横行してるんですね・・・。

仕方ないとはいえ、記録の作成・保管は、お互いにめんどくさいですね。
今後、メーカーさんに未承認薬の情報を聞くと色々聞かれたり念押しされたりするかと思いますが、ガイドラインに沿った行動ですので不快に思わず対応してあげてください…。

第4 その他
3 未承認薬・適応外薬等に関する情報提供

未承認薬・適応外薬及び国内では認められていない用法・用量に関する情報提供について医療関係者から求めがあった場合には、第1の3(1)1又は(2)2の規定にかかわらず、当該情報を当該医療関係者に提供することは差し支えないこと。
また、上記の情報提供について医療関係者以外の国民、患者やその団体から求めがあった場合にも、同様であること。

ただし、情報提供に当たっては、次に掲げる条件を全て満たすこと。
(1)通常の販売情報提供活動とは切り分けること。

(2)情報提供する内容は、要求内容に沿ったものに限定するとともに、情報提供先は要求者に限定すること

(3)医療関係者・患者等から情報提供を求められていないにもかかわらず、求められたかのように装わないこと。

(4)提供する情報は、虚偽・誇大な内容であってはならず、科学的・客観的根拠に基づき正確なものでなければならないこと。また、情報提供にあたっては、要約、省略、強調等を行わないこと。

(5)医薬品製造販売業者等による関与があった試験研究の結果やそれに基づく論文等を提供する場合にあっては、当該試験研究が「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年厚生省令第28号)若しくは「臨床研究法」(平成29年法律第16号)又はこれらに相当するものにより適切に管理されたものであること

(6)副作用の危険性が高まることや、臨床試験において有意差を証明できなかったこと等、ネガティブな情報についても適切に提供すること。

(7)情報提供する医療用医薬品の効能・効果、用法・用量等が承認を受けていないことを明確に伝えること。

(8)経緯、提供先、提供内容等、情報提供に関する記録を作成し、保管すること。

 

販売情報提供活動でしちゃいけないこと

  • 虚偽・誇大表現・誤認を誘発させる表現等の使用
  • 承認外の適応・使用方法の推奨
  • 根拠なく、特定の医療用医薬品の処方、使用等に誘引
  • 他社製品の誹謗・中傷等により、自社製品を優れたものと訴える
  • 疾患の罹患や疾病の症状を過度に強調し、不安を煽る
  • (一般人向けの疾患啓発)医療用医薬品以外に治療手段がないように誤認させる
  • その他不適正使用・誤使用を誘発させるおそれのある表現

まーそうだよね。という感じ。
「こういった患者さんは、半量から試しても良さそうです。」とか「適応はありませんが、薬理学的にはこういった病態にも効きます。」とか「海外ではこのような症例にも使われています。」といった情報は、今後はメーカーが関連していない学会・勉強会でしかできなくなりそうですね。

第1 基本的考え方
3 販売情報提供活動の原則

(2)不適正使用又は誤使用を誘発しないよう、販売情報提供活動において次に掲げる行為をしないこと。

1 虚偽若しくは誇大な表現又は誤認を誘発させるような表現の使用その他広告規制において禁じられている行為をすること。

2 承認された効能・効果、用法・用量等以外の使用方法を推奨すること。
なお、外国において承認等を得ている場合であっても同様であること。

3 科学的又は客観的な根拠なく恣意的に、特定の医療用医薬品の処方、使用等に誘引すること。

4 他社製品を誹謗、中傷すること等により、自社製品を優れたものと訴えること。

5 疾患の罹患や疾病の症状を過度に強調し、不安を煽ること。

6 一般人向けの疾患啓発において、医療用医薬品による治療(診断及び予防を含む。以下同じ。)のみを推奨するなど、医療用医薬品による治療以外に治療の手段がないかのように誤認させること。

7 その他医療用医薬品の不適正使用又は誤使用を誘発させるおそれのある表現を行うこと。

なお、ここに記載されていなくても、不適切な使用を誘発させることはすべてダメです。
ガイドラインにも、キチンと記載されています。

第4 その他
1 本ガイドラインに明示されていない事項
医薬品製造販売業者等は、本ガイドラインで定められていないこと(禁じられていないこと)であれば自由に行ってもよいとの誤った認識を持つことなく、医薬品製造販売業者等に求められる本来の責務とは何かという原点を判断の基軸として、自らを厳しく律した上で、販売情報提供活動を行うこと。

 

販売情報提供活動でした方が良いこと

  • 正確な理解を促すために必要な情報を提供
  • 比較試験では、試験の設計を結果を正確に明示
  • 優位性を示せなかったことなど、ネガティブな情報も提供
  • 厚生労働省・PMDAの要求事項(副作用の発生率の調査等)を提供

これはゼヒゼヒやっていただきたいですね!

特に試験の設計は冒頭に書いていただきたい。
特に、非劣性試験なのにポジティブだったら優越性試験かのように公表するヤツ。
優越性試験なのに、ネガティブだったら「同等でした~」って公表するヤツ。
勘違いしちゃうんで、ホントに止めてください・・・。

できれば、インタビューフォームへの記載を必須にしてもらえると嬉しいですねぇ。
日本病院薬剤師会さんよろしくお願いします!

第1 基本的考え方
3 販売情報提供活動の原則

(3)販売情報提供活動においては、積極的に次に掲げる行為をすること。

1 試験研究の結果に加えてその試験方法も示すなど、正確な理解を促すために必要な情報を提供すること。

2 比較試験では、優越性試験、非劣性試験等の試験の設計及びそれに基づく結果を正確に明示すること。
また、優位性を示せなかったことなど、医療用医薬品の品質・有効性・安全性に関し、ネガティブな情報についても提供すること。

3 厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)から要求された事項(副作用の発生率の調査等)に関する情報を提供すること。

 

医薬品製造販売業者等の責務

この章以降は、企業の内部体制の話がメインなので、現場にはあまり関係ないかも。
「へぇ~」と思っていただければ。

資材について

  • 資材等は、関係法令や本ガイドラインを遵守して作成
  • 最新の知見等を得たときは、適宜、更新・修正する
  • 国際機関や関係業界団体が作成するガイドライン等も遵守して作成するよう努める
  • 使用前に、予め、販売情報提供活動監督部門が審査

こちらも当然のことかと。
むしろ関係法令や学会作成のガイドラインに沿ってない資料って何だろう。

第2 医薬品製造販売業者等の責務
3 販売情報提供活動の資材等の適切性の確保
販売情報提供活動の資材等は、関係法令や本ガイドラインを遵守して作成されなければならず、最新の知見等を得たときは、適宜、更新・修正されること。
なお、国際機関や関係業界団体が作成するガイドライン等も遵守して作成されるよう努めること。
また、販売情報提供活動の資材等は、使用される前に、予め、販売情報提供活動監督部門による審査を受けること。
その際、販売情報提供活動監督部門は、審査・監督委員会の助言を踏まえて承認を行うこと。
なお、審査については、適切にその作業を行うことができる機関に外部委託することは差し支えないが、承認に関する責任は、販売情報提供活動監督部門ひいては経営陣が負うものであること。

経営陣の責務

  • 自社の販売情報提供活動に対して責任を負う
  • 販売情報提供活動監督部門を社内に設ける
  • 審査・監督委員会を設ける
  • 役員・従業員に対し、評価を適切に反映する、教育を実施する
  • 担当部門・担当者に対し、手順書・業務記録を作成・保管させる
  • 販売情報提供活動について苦情を受け付ける外部から認識可能な窓口を設ける

言いたいことは、「全責任は経営陣が負いなさい」ということかと。
あとは色々な部門を設置するよう求められていますね。

第2 医薬品製造販売業者等の責務
1 経営陣の責務
医薬品製造販売業者等の経営陣は、自社のあらゆる従業員の販売情報提供活動に関する業務上の行動に対して責任を負うものであり、適切な販売情報提供活動を実施するため、必要な社内体制の整備、販売情報提供活動の担当者等に対する評価、教育の実施、手順書・業務記録の作成・管理及び不適切な販売情報提供活動への対応について、リーダーシップを発揮すること。
また、厚生労働省、関連自治体や PMDA から報告の求めがあった場合には適切に対応するとともに、行政指導等を受けた場合には適切な措置を速やかに講ずること。
なお、販売情報提供活動の委託先・提携先企業がある場合には、適切な販売情報提供活動の実施のために必要な協力を当該企業から得られるよう契約を締結するとともに、医療関係者からも必要な協力を得られるように努めること。

2 社内体制の整備
医薬品製造販売業者等の経営陣は、自社が販売情報提供活動を適切に行っていることを確認するため、販売情報提供活動の資材等や販売情報提供活動自体の適切性等をモニタリングする部門(販売情報提供活動監督部門)を販売情報提供活動の担当部門から独立した形で社内に設け、その責任者を明確化するとともに、販売情報提供活動の担当部門・担当者に対して必要なモニタリング等の監督指導を行うことができる権限を付与すること。
なお、経営陣は、販売情報提供活動監督部門に権限を付与することをもって、販売情報提供活動に関して経営陣が負うべき責任を免れるものではなく、販売情報提供活動の担当部門・担当者及び販売情報提供活動監督部門に対し、適切な販売情報提供活動のために必要な管理指導を行うこと。
また、自社からの独立性を有する者が含まれる審査・監督委員会を設け、販売情報提供活動監督部門における活動について、その責任者に対して必要な助言を行わせること。

5 販売情報提供活動に関する評価や教育等
医薬品製造販売業者等の経営陣は、役員・従業員が適切な販売情報提供活動を行ったかどうか及び行わせたかどうかを確認し、役員・従業員に対する評価に適切に反映すること。
また、適切な販売情報提供活動を実施できるよう、役員・従業員に定期的に教育を実施すること。

6 手順書・業務記録の作成・管理
医薬品製造販売業者等の経営陣は、販売情報提供活動の担当部門・担当者に、販売情報提供活動に係る業務を適切に行うために必要な手順書を作成させるとともに、業務記録(販売情報提供活動において口頭で説明等を行った内容の記録を含む。)を作成させ、当該業務記録を適切に保管させること。
また、厚生労働省、関係自治体や PMDA から販売情報提供活動に関係する資料の提出を求められた場合には、販売情報提供活動の資材等に加えて手順書や業務記録を提出すること等により、活動状況を速やかに報告させること。

7 不適切な販売情報提供活動への対応
医薬品製造販売業者等の経営陣は、自社において適切でない販売情報提供活動が行われていることを把握した場合には、事実関係の調査、是正・再発防止等の所要の対応を速やかに講じること。
また、その進捗状況を自ら確認し、必要に応じ、追加の対応を講じるよう指示するとともに、不適切な活動を行った者に対しては、厳正な措置を行うこと。

8 苦情処理
医薬品製造販売業者等の経営陣は、販売情報提供活動について苦情を受け付ける外部から認識可能な窓口を設けるとともに、苦情があったときは、販売情報提供活動監督部門において迅速に事実関係を調査し、必要な措置を講じさせること。

9 販売情報提供活動の委託先・提携先企業及び医薬品卸売販売業者
医薬品製造販売業者の経営陣は、販売情報提供活動の委託先・提携先企業、医薬品卸売販売業者等に対しても、適切な販売情報提供活動を行うよう働きかけを行うこと。

販売情報提供活動監督部門の責務

  • 担当部門・担当者に対し、適切な販売情報提供活動を行っているか、定期的にモニタリングを行う
  • 担当部門・担当者に対し、必要な監督指導を行う
  • 経営陣に対し、販売情報提供活動の実施状況を報告し、必要がある場合には審査・監督委員会の助言を踏まえ、意見具申を行う

販売情報提供活動監督部門は、「自社が販売情報提供活動を適切に行っていることを確認するため、販売情報提供活動の資材等や販売情報提供活動自体の適切性等をモニタリングする部門」です。

第2 医薬品製造販売業者等の責務
5 モニタリング等の監督指導の実施
販売情報提供活動監督部門は、販売情報提供活動の担当部門・担当者が適切な販売情報提供活動を行っているか、定期的にモニタリングを行うとともに、担当部門・担当者に対して必要な監督指導を行うこと。
また、販売情報提供活動監督部門は、経営陣に対し、販売情報提供活動の実施状況を報告するとともに、適切な販売情報提供活動のために必要がある場合には審査・監督委員会の助言を踏まえて意見具申を行い、経営陣は、当該報告又は意見を踏まえて適切な措置を講ずること。

審査・監督委員会の責務

  • 監督部門から、実施状況の報告を定期的に受ける
  • 監督部門に対して、必要な助言を行う

第2 医薬品製造販売業者等の責務
5 モニタリング等の監督指導の実施
審査・監督委員会は、販売情報提供活動の実施状況の報告を販売情報提供活動監督部門から定期的に受けるとともに、販売情報提供活動監督部門に対して、必要な助言を行うこと。

販売情報提供活動の担当者の責務

  • 本ガイドラインを遵守する
  • 審査で適切と認められた資材に沿って、販売情報提供活動を行う
  • 意図的か否かにかかわらず、誤解を招くおそれのある活動をしない
  • 不適正使用又は誤使用を誘発するおそれのあるあらゆる表現を用いない
  • 必要な知識の習得や倫理観の涵養をはじめとした自己研鑽に努める
  • 審査で適切と認められた資材以外は用いない

これは、ガイドラインのおさらい的な内容ですね。
各医療機関に合わせた営業オリジナル資料は、ほぼNGってコトです。

第3 販売情報提供活動の担当者の責務
1 本ガイドラインの遵守
販売情報提供活動の担当者は、本ガイドラインを遵守して販売情報提供活動を行うこと。
特に、第1の3に反する活動を行わないこと。

2 販売情報提供活動の際の留意点
販売情報提供活動の担当者は、第2の3の販売情報提供活動監督部門による審査において適切と認められた資材等に沿って、科学的・客観的な根拠に基づく正確な情報により販売情報提供活動を行わなければならず意図的であるか否かにかかわらず、誤解を招くおそれのある販売情報提供活動を行わないこと。
また、例外的なデータを一般的な事実であるかのように表現したり、品位を欠くようなイラスト等を用いたりする等、医療用医薬品の不適正使用又は誤使用を誘発するおそれのあるあらゆる表現を行わないよう、細心の注意を払って販売情報提供活動を行うこと。

3 自己研鑽の努力
販売情報提供活動の担当者は、自らの活動について、その社会的地位を自覚し、必要な知識の習得や倫理観の涵養をはじめとした自己研鑽に努めること。

4 不適切な販売情報提供活動の資材等の使用禁止
販売情報提供活動の担当者は、第2の3の販売情報提供活動監督部門による審査で適切と認められた資材等以外は用いないこと。

 

コ・プロメーカーの特例

以下の条件で情報提供活動を実施する場合、コ・プロメーカー側で審査・監督委員会を設ける必要はありません。

  • 委託元・提携元の監督部門による審査を経た資材等(作成企業名が明示されたものに限る)のみを使用
  • 委託元・提携元の定めるところに従って販売情報提供活動を行う

これは、「製造販売元の企業でキチンとチェックしてるから、もう一回チェックする必要はないよ!」ということですね。
コ・プロメーカー側で独自に資料を作成したり、情報提供活動を実施したりする場合は、特例は適用されません。

第4 その他
5 販売情報提供活動の委託先・提携先企業に関する特例
医薬品製造販売業者(委託元・提携元)による販売情報提供活動の委託先・提携先企業にあっては、
委託元・提携元の販売情報提供活動監督部門による審査及び承認を経た販売情報提供活動の資材等(作成企業名が明示されたものに限る。)のみを使用し、
委託元・提携元の定めるところに従って、
販売情報提供活動を行う場合に限り、第2の2の規定にかかわらず、審査・監督委員会を設ける必要はないこと。
ただし、この場合、委託先・提携先企業の販売情報提供活動の担当部門・担当者及び販売情報提供活動監督部門は、委託元・提携元の情報提供活動監督部門に販売情報提供活動の実施状況の報告を行うこと。
また、委託先・提携先企業の販売情報提供活動の担当部門・担当者及び販売情報提供活動監督部門は、委託元・提携元が行う調査に協力するとともに、委託元・提携元が所属する関連団体から委託元・提携元を通じて指導や助言等を受けた場合には適切な措置を速やかに講ずること。 

 

医薬品卸の特例

審査・監督委員会は、出来る限り設置するのが望ましい旨が、記載されています。
販売情報提供活動監督部門については記載がないので、メーカー同様に設置しなければならないかと。

メーカー資材をそのまま使って情報提供活動を実施する場合

メーカー資材を医薬品卸側で審査する必要はありません。

6 医薬品卸売販売業者に関する特例
医薬品卸売販売業者にあっても、審査・監督委員会を設けることが望ましいが、実施する販売情報提供活動が、医薬品製造販売業者が行う販売情報提供活動に則して行われ、独自の情報を提供することは一般的に想定されないことを踏まえ、第2の2の規定にかかわらず、審査・監督委員会を設けなくても差し支えないこと。
また、医薬品製造販売業者が作成した販売情報提供活動の資材等をそのまま使用して行う販売情報提供活動(上記5に該当する場合を除く。)については、医薬品卸売販売業者において当該資材等の審査を行わなくても差し支えないこと。

独自資料を使って情報提供活動を実施する場合

当該資料は、販売情報提供活動監督部門の審査を受ける必要があります。

6 医薬品卸売販売業者に関する特例
さらに、医薬品卸売販売業者が作成する販売情報提供活動の資材等は、販売情報提供活動監督部門の審査を受ける必要があるが、複数の医療用医薬品を公平かつ客観的に比較することを目的としたものについては、第2の3の規定にかかわらず、使用された後速やかに審査を受けるのであれば、事後の審査でも差し支えないこと。

独自資料(複数の医療用医薬品を公平かつ客観的に比較することを目的としたもの)を使って情報提供活動を実施する場合

当該資料は、販売情報提供活動監督部門の審査を受ける必要があります。
しかし、以下の条件に該当する場合、事後の審査でも差し支えありません。

  • 医薬関係者から求めがあり、当該求めに応じて作成
  • 社内で十分周知された基準(監督部門の了承済)に則って作成
  • 添付文書・告示・通知内容を、変更することなく正確に記述

ここの解釈が一番悩みました。
ガイドラインの趣旨を鑑みるに、「特定の医療用医薬品の販売促進を期待して、複数の医療用医薬品を公平かつ客観的に比較することを目的とした独自資料を用いて情報提供する場合、この条件を満たす必要がある」と考えるに至ったのですが、これで合ってますかね・・・。

「どれでも良いから、うちから糖尿病薬買ってください!」という場合(不特定多数の医薬品の販売促進を期待)は、このガイドラインに沿う必要があるのでしょうか?

この辺は正式版で補足が無かったー…ので、Q&Aを待ってます。

6 医薬品卸売販売業者に関する特例
さらに、医薬品卸売販売業者が作成する販売情報提供活動の資材等は、販売情報提供活動監督部門の審査を受ける必要があるが、複数の医療用医薬品を公平かつ客観的に比較することを目的としたものについては、第2の3の規定にかかわらず、使用された後速やかに審査を受けるのであれば、事後の審査でも差し支えないこと
その際には、次に掲げる全ての事項を満たす必要があること。
複数の医療用医薬品について特定の項目を比較するよう医薬関係者から求めがあり、当該求めに応じて作成されたものであること。
・ あらかじめ販売情報提供活動の監督部門の了承を得た基準であって、社内で十分周知されたものに則って作成されたものであること。
・ 医薬関係者から求めのあった項目に関する添付文書又は厚生労働省の告示若しくは通知の内容が、変更されることなく正確に記述されたものであること。

 

参考文献
1)医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて, 厚生労働省, https://www.mhlw.go.jp/content/000359881.pdf.

更新履歴
2018.7.15
 公開
2018.9.27 正式版通知に伴い、通知へのリンクを追加
2018.9.29 正式版の情報に改訂