オンライン診療研究会のセミナーに行ってきました。

先日、オンライン診療研究会のセミナーに行ってきたので、講演のメモを起こしてみました。

参考 第1回公開オンライン診療研究会 オンライン診療研究会

講義メモ

注意
講演を聴いたメモを元に作成しておりますので、間違っている部分があるかもしれません。
文責はわたし、小石まり子にあります。
間違っている部分を発見されましたら、ツイッターや当ブログの問合せページ等にて、ご指摘いただけると幸いです。

ちなみに私はオンライン医療推進派です。
推進派がまとめた記事として読んでいただければと思います。

現場からの事例

オンライン診療が適切な疾患とは?

・症状が軽度で、服薬が長期にわたる人

りんご
ちなみに現状のオンライン診療は、数ヵ月に1回は対面受診が必須だよ!
みかん
大病院は90日処方だったりするし、症状が安定してるなら月1回オンライン診療&3ヵ月に1回対面受診でも良さそうだよね。

オンライン診療のメリット

1.長期にわたる治療が継続しやすくなる

・ 新薬(14日処方制限あり)の通院の手間が減るため、新薬にチャレンジしやすくなる
・ 家庭の様子がわかる(この環境じゃあ頻繁な受診は無理だよねー等)

りんご
クスリのためだけに2週間毎に通院するのはメンドイから、この使い方は良いなと思った。
みかん
わざわざ14日処方制限にしてる意味なくなるんじゃ…と思ったけど、自覚症状のある副作用は診察室より家の方が言いやすいのかも、とも思う。診察室はやっぱ緊張するし。
りんご
定期的な検査が必要な新薬や、海外未承認薬は通院した方が良いかもねー。

2. 受診のハードルが下がる

・(産婦人科)他人の目を気にしなくて良い。未婚女性・既婚未妊婦は、特に田舎では産婦人科を受診するハードルが高い(ウワサになったり…)
・ 仕事・学業を休まなくて良い
・(受診ハードルの高さゆえに)薬剤のネット購入に流れるのを防げる
・今まで医療を受けてこなかった人が、医療を受けられる。

りんご
どれもめっちゃわかる!地元の産婦人科は行きづらい!
みかん
講演では、喘息治療薬のコンプライアンス不良で夜間救急の受診を繰り返していた患者が、オンライン診療でコンプライアンス改善した例が紹介されてました。
りんご
社会人もだけど、特に学生は受診で学校休むのはハードル高いもんね。休み時間とか放課後とかに受診できたら楽だよね。
みかん
オンライン診療は基本予約制だし、待ち時間があんまり発生しないのが良いね。

 

3. 通院の負担が減る

・ 近くに専門施設が無い場合の治療手段になる(地方だと、同じ県に専門医がいないことも)
・(AD/HD児等)家庭での受診の方が、児のストレスが軽減する
・(全介助者)本人と介助者の通院負担が減る
・(パニック発作)通院自体が負担であるため、通院負担が減る。一方、通院も行動療法のひとつなので、安易にオンライン診療に切替えると社会機能がもっと低下する懸念もある。そのため、どうしても外出できないときの最終手段として対面と組み合わせて利用
・(妊婦)遠方からの通院負担の軽減、待合室での感染リスクの軽減

りんご
これもわかるなー。1日仕事が半日仕事になるだけでも大分違うよね。
みかん
病院に行くだけで疲れちゃう人にとって、楽に受診できるオンライン診療を組み合わせるのは良い手段だと思う。

オンライン診療のデメリット

・内診・エコー等、医療機器が必要な診察ができない
・カウンセリング要素が増えるので、診察が冗長になることがある
・自覚症状の無い疾患はわからない

りんご
これは仕方ないよね…。だから対面が必須とも言える。
みかん
将来的にはウェアラブル端末や携帯端末で解決できる部分もあるかもね。
りんご
一般的な検査なら、診療はオンラインで専門医&検査はかかりつけ医って出来ると良いなー。

 

シンポジウム

現状のオンライン診療料について

1. 疾患の縛りがある

未来永劫この縛りというわけではない。
今回は、賛成派も反対派もみんなが納得するものだけを入れた。
他の疾患については、エビデンスに基づいて追加を検討する予定。

りんご
ここはすごい強調してた。「今がベストだとは思ってないんで!」って。
みかん
色々言われてるんだろうな~と思った。お疲れさまです。

2. 管理料がない

報酬を付けすぎると、医療が一気に変わってしまう恐れがある。
(7対1入院基本料みたいに…)
ゆっくり着実に進めていきたいので、少しずつ変わるように診療報酬を設定している。

りんご
ここもすごい強調してた。「急に変わっちゃうと怖いから!」って言ってた。
みかん
日本中の病院が7対1になったのは、厚生労働省にとってトラウマなのかな…。

3. 施設基準(緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること)について

オンライン診療料は、日常診療で使う前提で設定した。
よって、31分だったら算定できないというわけではない。
難病や離島居住などアクセス制限がある人のオンライン診療については、別の考え方を示している。

参考 情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について(健政発第1075号 平成9年12月24日)[PDF]厚生労働省
りんご
ここも問い合わせいっぱい来たんだろうな~と推察されたね。
みかん
これがネックで現在クリニックの自腹になってるオンライン診療もあるようです。診療報酬改定前からオンライン診療を受診してた患者さんとか。

4. その他の意見

この疾患もオンラインOKにして欲しい。
疾患別に可否を決めるのは適切ではない。
医師to医師、医師toコメディカルのオンライン連携にも点数をつけて欲しいetc

→点数がつくためには客観的な評価(エビデンス)が必要。
現場からのエビデンス提供に期待している。

りんご
「何かに加算をつけるためには、何かを減算しないと行けない。加算を納得してもらうためには、確固たる裏付けが必要。」的な論調でした。
みかん
厚生労働省の人が診療報酬の話するときはほぼ確実に出るよね。エビデンス作ってくださいの話。
りんご
根拠なしで望むと、中医協でボコボコに論破されそうだしね…。

 

ちなみにシンポジウムの話はm3.comさんがまとめてくださってます!
多分m3さんのが正確な話だと思うので、興味がある方はぜひ。

参考 オンライン診療料、迫井審議官が改定の真意語るm3.com(要会員登録)