先日、オンライン診療研究会のセミナーに行ってきたので、講演のメモを起こしてみました。
参考 第1回公開オンライン診療研究会 オンライン診療研究会講義メモ
文責はわたし、小石まり子にあります。
間違っている部分を発見されましたら、ツイッターや当ブログの問合せページ等にて、ご指摘いただけると幸いです。
ちなみに私はオンライン医療推進派です。
推進派がまとめた記事として読んでいただければと思います。
現場からの事例
オンライン診療が適切な疾患とは?
・症状が軽度で、服薬が長期にわたる人


オンライン診療のメリット
1.長期にわたる治療が継続しやすくなる
・ 新薬(14日処方制限あり)の通院の手間が減るため、新薬にチャレンジしやすくなる
・ 家庭の様子がわかる(この環境じゃあ頻繁な受診は無理だよねー等)



2. 受診のハードルが下がる
・(産婦人科)他人の目を気にしなくて良い。未婚女性・既婚未妊婦は、特に田舎では産婦人科を受診するハードルが高い(ウワサになったり…)
・ 仕事・学業を休まなくて良い
・(受診ハードルの高さゆえに)薬剤のネット購入に流れるのを防げる
・今まで医療を受けてこなかった人が、医療を受けられる。




3. 通院の負担が減る
・ 近くに専門施設が無い場合の治療手段になる(地方だと、同じ県に専門医がいないことも)
・(AD/HD児等)家庭での受診の方が、児のストレスが軽減する
・(全介助者)本人と介助者の通院負担が減る
・(パニック発作)通院自体が負担であるため、通院負担が減る。一方、通院も行動療法のひとつなので、安易にオンライン診療に切替えると社会機能がもっと低下する懸念もある。そのため、どうしても外出できないときの最終手段として対面と組み合わせて利用
・(妊婦)遠方からの通院負担の軽減、待合室での感染リスクの軽減


オンライン診療のデメリット
・内診・エコー等、医療機器が必要な診察ができない
・カウンセリング要素が増えるので、診察が冗長になることがある
・自覚症状の無い疾患はわからない



シンポジウム
現状のオンライン診療料について
1. 疾患の縛りがある
未来永劫この縛りというわけではない。
今回は、賛成派も反対派もみんなが納得するものだけを入れた。
他の疾患については、エビデンスに基づいて追加を検討する予定。


2. 管理料がない
報酬を付けすぎると、医療が一気に変わってしまう恐れがある。
(7対1入院基本料みたいに…)
ゆっくり着実に進めていきたいので、少しずつ変わるように診療報酬を設定している。


3. 施設基準(緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関において診察可能な体制を有していること)について
オンライン診療料は、日常診療で使う前提で設定した。
よって、31分だったら算定できないというわけではない。
難病や離島居住などアクセス制限がある人のオンライン診療については、別の考え方を示している。


4. その他の意見
この疾患もオンラインOKにして欲しい。
疾患別に可否を決めるのは適切ではない。
医師to医師、医師toコメディカルのオンライン連携にも点数をつけて欲しいetc
→点数がつくためには客観的な評価(エビデンス)が必要。
現場からのエビデンス提供に期待している。



ちなみにシンポジウムの話はm3.comさんがまとめてくださってます!
多分m3さんのが正確な話だと思うので、興味がある方はぜひ。