2月20日、てんかん重積状態治療薬のロラピタが発売されました。
ロラピタ静注
販売名(一般名) | 製造販売会社 | 備考 |
ロラピタ静注2mg (ロラゼパム) |
ファイザー | ベンゾジアゼピン誘導体 適応:てんかん重積状態 |
(ファイザーwebサイトより)
てんかん重積状態は、「発作がある程度の長さ以上に続くか、または、短い発作でも反復し、その間の意識の回復がないもの」と定義される状態です。2)
普通のてんかん発作は1~2分で収まることが多いですが、てんかん重積状態は発作をおさめる機構の破綻等により、長時間にわたって発作が持続します。2)
てんかん重積状態が30分以上持続すると、後遺障害を残す可能性ががあるとされているため、5分以上続いた場合は「てんかん重積状態」と診断し、治療を始めることが推奨されています。2)
早期てんかん重積状態の第一選択薬は、ジアゼパムとロラゼパムです。(小児はミダゾラムも)
このうち、ジアゼパムとミダゾラムは注射液がありますが、ロラゼパムは錠剤〔商品名:ワイパックス〕しかありませんでした。
というわけでロラゼパム注射剤の開発が要請され、ロラピタが誕生しました。
海外の標準的治療薬が、日本でもようやく使えるようになりましたね!
使う頻度は内用薬より少ないとはいえ、てんかん治療には必須の薬剤ですので、発売されて良かったなぁと思います。
薬価がものすごく高いのが玉に瑕。
参考文献
1)てんかん重積状態治療薬ロラピタ静注2mg 本日発売, ファイザー(株), https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2019/2019_02_20.html.2)てんかん診療ガイドライン2018, 日本神経学会, https://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan_2018.html.