新医薬品等の製造販売が承認されました(2020年6月)

りんご
2020年6月29日、新医薬品が承認されました!
みかん
順調にいけば、8月に薬価収載される見込みです。

製造販売承認品目の一覧

今回承認された新医薬品・報告品目の一覧です。
会社名をクリックすると、各社のニュースリリースに飛びます。
(直PDFのリンクもありますので、ご注意ください。)

シルガードはまだ承認されてないようですね~。

新医薬品(8月薬価収載見込み)

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
エンレスト錠50mg・100mg・200mg
(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)
ノバルティス
※コ・プロ:大塚製薬
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
適応:慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
オンジェンティス錠25mg
(オピカポン)
小野 末梢COMT阻害剤
適応:レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
ダーブロック錠1mg・2mg・4mg・6mg
(ダプロデュスタット)
GSK
※販売:協和キリン
HIF-PH阻害薬
適応:腎性貧血
タブレクタ錠150mg・200mg
(カプマチニブ塩酸塩水和物)
ノバルティス MET阻害薬
適応:MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
バフセオ錠150mg・300mg
(バダデュスタット)
田辺三菱
※プロモーション:扶桑
HIF-PH阻害薬
適応:腎性貧血
メーゼント錠0.25mg・2mg
(シポニモドフマル酸)
ノバルティス S1P受容体調整薬
適応:二次性進行型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
リベルサス錠3mg・7mg・14mg
(セマグルチド(遺伝子組換え))
ノボ
※販売提携:MSD
経口GLP1受容体作動薬
適応:2型糖尿病
アテキュラ吸入用カプセル低用量・中用量・高用量
(インダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル)
ノバルティス LABA/ICS配合剤
適応:気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
エナジア吸入用カプセル中用量・高用量
(インダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステル)
ノバルティス LABA/LAMA/ICS配合剤
適応:気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸入抗コリン剤の併用が必要な場合)
イルミア皮下注100mgシリンジ
(チルドラキズマブ(遺伝子組換え))
サンファーマ 抗IL-23p19抗体製剤
適応:既存治療で効果不十分な尋常性乾癬
エンスプリング皮下注120mgシリンジ
(サトラリズマブ(遺伝子組換え))
中外 pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプター抗体製剤
適応:視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
サークリサ点滴静注100mg・500mg
(イサツキシマブ(遺伝子組換え))
サノフィ 抗CD38抗体製剤
適応:再発又は難治性の多発性骨髄腫
ゼオマイン筋注用50単位・100単位・200単位
(インコボツリヌストキシンA)
帝人ファーマ A型ボツリヌス毒素製剤
適応:上肢痙縮

報告品目(11月薬価収載見込み)

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL・40mgペン0.8mL・20mgシリンジ0.4mL「FKB」
(アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続1])
協和キリン富士フイルムバイオロジクス ヒュミラのバイオ後発品
適応
(40mg製剤)関節リウマチ他
(20mg製剤)多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
キンダリー透析剤AF5号・AF5P号・5E
(なし)
扶桑 適応:慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として用いる。
(無糖の透析液では血糖値管理の困難な患者及び他の重炭酸型透析液では高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合、又は高カルシウム血症を起こすおそれのある場合に用いる。)

 

留意事項通知・適正使用に関する通知が出ています

ゼオマイン:ボトックスとの当時投与を避けること、安全管理の徹底

 

(前略)その使用にあたっては、本剤の承認条件に基づく適正な流通管理等が実施されるとともに、A型ボツリヌス毒素製剤(販売名:ボトックス注用50単位及び同注用100単位)との効能・効果及び用法・用量の相違に留意して、安全性に十分配慮した使用が徹底されるよう、貴管下の医療機関・薬局等に対する周知・指導をお願いします。

また、本剤とA型ボツリヌス毒素製剤との同時投与は原則として避けることとされているとともに、A型ボツリヌス毒素製剤による治療後に本剤を使用する場合には、少なくともA型ボツリヌス毒素製剤の上肢痙縮を対象とした用法・用量で規定されている投与間隔をあけ、患者の症状を十分に観察した上で、効果が消失し、安全性上の問題がないと判断された場合にのみ投与することとされていますので、併せて周知徹底をお願いします。

(参考1)承認条件
1.医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.本剤についての講習を受け、本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師によってのみ用いられるよう、必要な措置を講じること。
3.本剤の使用後に失活・廃棄が安全・確実に行われるよう、廃棄については薬剤部に依頼する等、所要の措置を講じ、廃棄に関する記録を保管すること。

 

その他雑感

アテキュア&エナジアのスマホ連動ってなんぞ?

プレスリリースに書いてあったんですけど、吸入器に服薬記録機能を持つセンサーを装着できるらしいんですよ。

日本で初めて、両剤用の吸入器に装着してスマートフォンと連動させて、日々の服薬の記録や服薬リマインダー機能を持つブリーズヘラー用センサーも医師を通じて提供いたします。

患者さんがOKすれば、主治医と記録を共有することもできるそうです。
めっちゃ気になりますね~。そしてできればかかりつけ薬剤師も共有して欲しいな。

 

コ・プロが多いね

エベレンゾに先を越されまくってるダーブロックとバフセオさん。
ダーブロックは協和キリンに販売を一任するようですね。
協和キリンさんはエスポ-とかネスプAGとか持ってるので、下手にGSKが関与するより良いのかな…?
一任するとは思わなかった。

また、バフセオは扶桑と共同プロモーションするようです。
扶桑はちょっと意外ですけど、透析領域強いイメージがあるのでなるほどと思いました。

 

エンレストも、大塚製薬とコ・プロですね。
なんだろ、サムスカの手腕を買われたのかな…?
まーノバルティスの循環器ってディオバン位しか(以下自粛)

あとはリベルサス。MSDとコ・プロです。
糖尿病領域ならノボだけでもいけそうだけど、専門医以外のプロモーションを依頼するのかしら…?

 

というわけで疑問投げっぱなしですが、販売提携多めだなぁと思った今回の承認品目でした。

 

参考文献
1)各社プレスリリース
2)各製品添付文書
3)インコボツリヌストキシンA製剤の使用にあたっての留意事項について, 薬生薬審発0629第1号, 令和2年6月29日.