新医薬品等の製造販売が承認されました(2020年9月)

りんご
2020年9月25日、新医薬品が承認されました!
みかん
順調にいけば、11月に薬価収載される見込みです。

製造販売承認品目の一覧

今回承認された新医薬品・報告品目の一覧です。
会社名をクリックすると、各社のニュースリリースに飛びます。
(直PDFのリンクもありますので、ご注意ください。)

新医薬品(11月薬価収載見込み)

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
エナロイ錠2mg・4mg
(エナロデュスタット)
日本たばこ
※販売:鳥居
低酸素誘導因子 -プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬
適応:腎性貧血
ジセレカ錠100mg・200mg
(フィルゴチニブマレイン酸塩)
ギリアド
※販売:エーザイ
JAK阻害剤
適応:既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損 傷の防止を含む)
ゼジューラカプセル100㎎
(ニラパリブトシル酸塩水和物)
武田 ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬
適応:卵巣癌における初回化学療法後の維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌

薬価収載まで倫理的無償供給
ブコラム口腔用液2.5mg・5mg・7.5mg・10mg
(ミダゾラム)
武田 ベンゾジアゼピン誘導体
適応:てんかん重積状態
エクロックゲル5%
(ソフピロニウム臭化物)
科研 抗コリン剤
適応:原発性腋窩多汗症
アキャルックス点滴静注250㎎
(セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え))
楽天メディカル 抗体薬物複合体(抗EGFR抗体と色素 (IRDye700DX) を結合)
適応:切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌
ゼプリオンTRI水懸筋注175mg・263mg・350mg・525mgシリンジ
(パリペリドンパルミチン酸エステル)
ヤンセン 12週間隔投与の非定型抗精神病薬の持効性注射剤
適応:統合失調症(パリペリドン4週間隔筋注製剤による適切な治療が行われた患者に限る)

報告品目(11月薬価収載見込み)

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
ツートラム錠50mg・100mg・150mg
(トラマドール塩酸塩)
日本臓器 1日2回投与のトラマドール製剤
適応:慢性仏痛
エネフリード輸液 大塚工場 末梢静脈栄養輸液
適応:下記状態時のアミノ酸、電解質、カロリー、脂肪酸、水溶性ビタミン及び水分の補給
・経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合
・手術前後

 

留意事項通知・適正使用に関する通知が出ています

ゼプリオンTRI:ゼプリオンから切替えて投与すること等

ゼプリオンTRIは、ゼプリオン(4週1回投与製剤)の12週1回投与バージョンです。
ゼプリオンで安全性速報(ブルーレター)が発出されたことから、ゼプリオンTRIでも安全性に留意して使用する旨の通知が発出されています。

具体的にはこんな感じ↓(ちょっとはしょってます)

  • ゼプリオンが4カ月以上継続して投与されていて、安全性・忍容性 が確認された、症状が安定している患者に投与すること
  • 以下の投与量で、ゼプリオンから切り替えて投与すること
    (ゼプリオン 50mg→ゼプリオンTRI 175mg、ゼプリオン 75mg→ゼプリオンTRI 263mg、ゼプリオン 100mg→ゼプリオンTRI 350mg、ゼプリオン 150mg→ゼプリオンTRI 525mg)
  • 症状の悪化等により抗精神病薬の追加が必要となった場合は、本剤の投与中止を検討すること
  • 本剤の減量が必要となった場合は、本剤の投与中止を検討すること

余談ですが、TRIって3倍的な意味かと思ってたのに、まさかの Twelve-weekly Release Injectionの略でした。
TwelveのTね!なーるほどー!

その他雑感

ブコラムが来たぞ!

やーとうとう来ましたねブコラムちゃん!
家庭内でけいれんに対処できるっていうのはありがたいね。

といっても頬粘膜に投与って結構難しそうなので(坐剤よりはマシだと思うけど…平時のオムツ替えすらワタワタするのに、けいれん発作時に坐剤入れるのは想像できないほど大変だと思われる…)、しっかり講習体制を整えて欲しいところ。

と思ったらすでに動画があった。さすがです。

参考 投与方法ムービー武田薬品工業(医療従事者向けサイト:会員限定)

薬剤師的には、きちんと保管できるかが心配かな~。
やっぱベンゾ系なので、きょうだいが誤飲しちゃったり、盗まれたりすると大変よね…。
幸い室温保存なので、緊急時にサッと取り出せて、かつ子どもやペットがさわれないような場所に保管できると良いですね。
うちだったら高い棚の上かな…。

 

参考文献
1)各社プレスリリース
2)各製品添付文書
3)パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液(12週間隔筋注製剤)の使用にあたっての留意事項について, 薬生薬審発0925第3号, 薬生安発0925第2号, 令和2年9月25日.