オプジーボ、テセントリクの効能等が追加されました(2020年9月)

8月の第一・第二部会で審議・報告された品目が適応追加されたようなので、まとめました。

効能等追加品目の一覧

今回承認された効能等追加品目の一覧です。
会社名をクリックすると、各社のニュースリリースに飛びます。
(直PDFのリンクもありますので、ご注意ください。)

効能等追加品目

販売名(一般名) 製造販売会社等 効能等追加事項
アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL
(ベバシズマブ(遺伝子組換え))
中外 追加適応:切除不能な肝細胞癌(テセントリクと併用)
テセントリク点滴静注1200mg
(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
中外 追加適応:切除不能な肝細胞癌(アバスチンと併用)
エビリファイ持続性水懸筋注用300mg・400mg、300mg・400mgシリンジ
(アリピプラゾール水和物)
大塚製薬 追加適応:双極I型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制
エンハーツ点滴静注用100mg
(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え))
第一三共 追加適応:がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌
オプジーボ点滴静注20mg・100mg・240mg
(ニボルマブ(遺伝子組換え))
小野
コ・プロ:BMS
追加適応:高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん(ヤーボイと併用)
追加用法:1回480mg 4週間間隔投与(全適応、単独投与時)
ヤーボイ点滴静注液50mg
(イピリムマブ(遺伝子組換え))
BMS
コ・プロ:小野
追加適応:高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん(オプジーボと併用)
トルツ皮下注80mgシリンジ・オートインジェクター
(イキセキズマブ(遺伝子組換え))
リリー
販売提携:鳥居
追加適応:X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
ユルトミリス点滴静注300mg
(ラブリズマブ(遺伝子組換え))
アレクシオン 追加適応:非典型溶血性尿毒症症候群

 

留意事項通知・適正使用に関する通知が出ています

テセントリク:最適使用推進ガイドライン追加

適応追加に伴い、肝細胞癌の最適使用推進ガイドラインが作成されています。3)

参考 最適使用推進ガイドライン(肝細胞癌)PMDA

オプジーボ:最適使用推進ガイドライン追加

適応追加に伴い高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌の最適使用推進ガイドラインに、ヤーボイ併用の記載が追加されています。4)

また、4週1回投与が追加された関係で、他の最適使用推進ガイドラインも改訂されています。4)

参考 最適使用推進ガイドライン(高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌)PMDA

ユルトミリス:髄膜炎菌感染症に注意すること

ユルトミリスは、投与により髄膜炎菌感染症の発症のリスクが高まることが懸念されること等から、今までと同様投与の際には特段留意するよう、通知が発出されました。5)
特に小児へ投与する際は、肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合には接種を検討することとされています。5)

 

参考文献
1)各社プレスリリース
2)各製品添付文書
3)アテゾリズマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(肝細胞癌)の作成及び アテゾリズマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌)の一部改正について, 薬生薬審発0925第17号, 令和2年9月25日.
4)ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、悪性黒色腫、頭頸部癌、腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、胃癌、悪性胸膜中皮腫、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌及び食道癌 )の一部改正について, 薬生薬審発0925第13号, 令和2年9月25日.
5)ラブリズマブ(遺伝子組換え)製剤の使用にあたっての留意事項について, 薬生薬審発0925第8号, 令和2年9月25日,