オルミエント、ガーダシルの効能等が追加されました(2020年12月)

11月の第一・第二部会で審議・報告された品目が適応追加されたようなので、まとめました。
イグザレルトとノベルジンの効能等追加は、まだの模様。
多分新医薬品の承認と同時でしょう。

効能等追加品目の一覧

今回承認された効能等追加品目の一覧です。
会社名をクリックすると、各社のニュースリリースに飛びます。
(直PDFのリンクもありますので、ご注意ください。)

効能等追加品目

販売名(一般名) 製造販売会社等 効能等追加事項
オルミエント錠2mg・4mg
(バリシチニブ)
リリー 追加適応:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
*最適使用推進GL対象
ビムパット錠50mg・100mg、同ドライシロップ10%
(ラコサミド)
第一三共 追加適応:他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
ビムパット点滴静注100mg・200mg
(ラコサミド)
第一三共 追加適応:一時的に経口投与ができない患者における、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法に対するラコサミド経口製剤の代替療法
リムパーザ錠100mg・150mg
(オラパリブ)
アストラゼネカ 追加適応:・BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法
・相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法
BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ
(組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来))
MSD 追加適応:肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)、男性での尖圭コンジローマ
追加用法:男性への接種対象拡大
ソマチュリン皮下注60mg・90mg・120mg
(ランレオチド酢酸塩)
帝人ファーマ 追加適応:甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
テセントリク点滴静注1200mg
(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
中外 追加用法:単独投与(化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌)
*最適使用推進GL対象
マブキャンパス点滴静注30mg
(アレムツズマブ(遺伝子組換え))
サノフィ 追加適応:同種造血幹細胞移植の前治療
リツキサン点滴静注100mg・500mg
(リツキシマブ(遺伝子組換え))
全薬
※併売:中外
追加用法:B細胞性非ホジキンリンパ腫への90分間投与、調製時の希釈濃度を変更

 

留意事項通知・適正使用に関する通知が出ています

オルミエント:最適使用推進ガイドライン作成

アトピー性皮膚炎の適応追加に伴い、最適使用推進ガイドラインが作成されました。4), 5)

参考 最適使用推進ガイドライン(アトピー性皮膚炎)PMDA

リムパーザ:レセプトに検査実施日を記載

2 効能・効果等の一部変更承認に伴う留意事項の一部改正について
(2)「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項について」(平成30年7月2日付け保医発0702第1号)の記の1を次のように改める。
1 リムパーザ錠100mg、同錠150mg
1.本製剤を、ア「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法」、イ「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」、ウ「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」又はエ「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」に用いる場合は、効能又は効果に関連する使用上の注意において、ア、ウ及びエの場合「承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、BRCA遺伝子変異を有することが確認された患者に投与すること。」、イの場合「承認された体外診断薬等を用いた検査により、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)を有することが確認された患者に投与すること。」とされているので、BRCA遺伝子変異を確認した検査の実施年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記入すること。
なお、当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。
ただし、本剤の初回投与に当たっては、必ず実施年月日を記載すること。

2.本製剤を「相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」に用いる場合は、効能又は効果に関連する使用上の注意において、「承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。」とされているので、相同組換え修復欠損を有することを確認した検査の実施年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記入すること。
なお、検査実施年月日は、当該検査を実施した月のみ記載すること。
ただし、本剤の初回投与に当たっては、必ず実施年月日を記載すること。

ガーダシル:男性は全例調査(可能な限り)

用法追加に伴い、最適使用推進ガイドラインが変更されています。6)

1.製造販売後調査等への協力について 製造販売業者は、本剤を納入する医療機関に対し、適切に情報提供・注意喚起を行うなどの安全性情報提供活動を行うことに加え、一定期間、本剤を接種した男性の可能な限り全例について、安全性に関する情報の検出・確認を 行うことを目的とした使用成績調査を行うこととしています。
ついては、本剤を男性に接種する可能性がある医療機関、医師等においては、製造販売業者が行う本剤の製造販売後調査や安全性監視活動等についてご協力をお願いします。
なお、上記の製造販売後調査等については、製造販 売業者から医療機関に説明がなされることとなっています。

2.接種時の注意事項について 本剤は現在本邦で流通している皮下に注射することとされているインフルエンザワクチン等と異なり、筋肉内に注射することとされていることから、 引き続き、これらの違いについて十分に留意した上で接種を行っていただくようお願いします。その他、添付文書に記載されている接種上の注意事項等について、十分にご留意願います。
なお、接種時の注意事項については、製造 販売業者から医療機関に説明がなされることとなっています。

ソマチュリン:投薬前に外科的処置を考慮すること

2 効能・効果等の一部変更承認に伴う留意事項の一部改正について
(1)「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」(平成24年11月22日付け保医発1122第3号)の記の2の(2)を次のように改める。
(2)ソマチュリン皮下注60mg、同90mg及び同120mg
3. 本製剤を「甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍」に用いる場合は、効能・効果に関連する使用上の注意において、「治療の際は、まず外科的処置を考慮すること。本剤は、外科的処置の施行が困難な患者、外科的処置で効果が不十分な患者又は周術期のリスク低減のため術前に甲状腺機能の改善を図る必要がある患者に使用すること。」とされているので、使用に当たっては十分留意すること。

テセントリク:最適使用推進ガイドライン追加

用法追加に伴い、最適使用推進ガイドラインが変更されています。7)

参考 最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌)PMDA
参考文献
1)各社プレスリリース
2)各製品添付文書
3)医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について, 保医発1225第2号, 令和2年12月25日.

4)バリシチニブ製剤の最適使用推進ガイドライン(既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎)について, 薬生薬審発1225第1号, 令和2年12月25日.
5)ヤヌスキナーゼ阻害剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について, 保医発1225第3号, 令和2年12月25日.
6)ヒトパピローマウイルス感染症予防に用いられる組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)(ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ)の製造販売承認事項一部変更承認に係る留意事項について, 薬生薬審発1225第9号, 薬生安発1225第1号, 令和2年12月25日.
7)アテゾリズマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌)の一部改正について, 薬生薬審発1225第5号, 令和2年12月25日.
8)新医薬品の承認品目一覧, PMDA, https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/p-drugs/0010.html.