【備忘録】koimari的2020年登場の気になる新薬と適応追加

感染症

シルガード9水性懸濁筋注

9価HPVワクチンが、日本でも上市!
供給量の関係で定期予防接種にするのは難しいようですが、ゆくゆくは9価が定期予防接種になったら良いなと思います。
…あと10年位かな…。
できれば新規モダリティのワクチンが、国産化されると良いのですが。

ガーダシル水性懸濁筋注:男性の適応追加

ガーダシルに男性に関する適応が追加。
まだ定期接種にはなってないですが、防げるがんは増えたのは良き。

中枢神経系

ブコラム口腔用液

てんかん重積状態に使う口腔用液。
頬粘膜に投与します。

てんかん重積状態に対して病院外でできることって、ジアゼパム坐剤位しかなかったので、ようやく新しい選択肢が増えたな!と。ありがたい限り。

循環器系

エンレスト錠

あーにぃーー。
ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)という新しい作用機序の薬剤です。
適応は慢性心不全。
新しいといいつつも、一般名に見覚えがありすぎて、あんまり新しい感がない。
(サクビトリルバルサルタン)

フォシーガ錠:慢性心不全の適応追加

SGLT2阻害薬が慢性心不全領域に進出。

内分泌・代謝系

チラーヂン静注

ようやく出たチラーヂンの静注製剤!
チラーヂンは古い薬ですが、甲状腺系だと必須薬なので、剤形追加で選択肢が増えるのはとても良き。

バクスミー点鼻粉末剤

低血糖に使うグルカゴン製剤。
点鼻でシュッと投与します。

グルカゴンは注射しかなかったので、点鼻で迅速に投与できるのは素晴らしいですね。

リベルサス錠

剤形追加の花。注射から経口剤への転身だ~!
というわけで経口GLP-1受容体作動薬が出ましたよ。

添加物で注射から経口にできるんやねぇ…。
すごいDDS。
用法が結構大変だけど、今後そこを改善するDDSが出てくるんじゃないかと期待しています。

アレルギー・免疫系

コレクチム軟膏

アトピー性皮膚炎に使う、外用JAK阻害薬。
JAKは最近来てますね!
外用なので全身作用は無かろうということなのか、経口に比べるとより軽症患者にも使うイメージ。

オルミエント錠:アトピー性皮膚炎の適応追加

経口JAK阻害薬がアトピー性皮膚炎に進出。
こっちはコレクチムに比べると重症患者に使うイメージです。

腎臓・泌尿器系

ユリス錠

めちゃめちゃ久しぶりに登場した、尿酸排泄促進薬。

皮膚科系

エクロックゲル

原発性腋窩多汗症に使うゲル剤。
局所に使える抗コリン薬が今までなかったので、この薬剤の登場で、腋窩多汗症に悩む人が減ると良いなぁと思います。
抗コリン薬なので、手に着かないよう注意。手に着いたら洗い流しましょう。

がん

新規ターゲット系経口抗がん剤

2021年は、新規ターゲットの抗がん剤として、
・MET阻害薬のテプミトコ錠、タブレクタ錠
が出ました。

抗体薬物複合体(ADC)

2020年は、
・エンハーツ点滴静注用(トラスツズマブ デルクステカン)
が出ました。

HER2に対するADCといったら既にカドサイラ(トラスツズマブ エムタンシン)がいるのですが、デルクステカンが良いらしい。
第一三共の屋台骨のひとつって意味で、注目しています。

免疫チェックポイント阻害薬系の適応追加

(全然追えてないのでモレモレです)
個人的にはテセントリクの肝細胞がんの適応追加(アテゾ+ベバ)が熱かったです。

アキャルックス点滴静注

頭頸部がんに使う光免疫療法薬。
抗体薬物複合体ならぬ、抗体光感受性物質複合体です。
近赤外線を当てると薬剤が構造変化を起こし、物理的・化学的にがん細胞を破壊します。

条件付き早期承認なので、今後のデータ集積が望まれるところ。

ステボロニン点滴静注バッグ

頭頸部がんに使うホウ素中性子補足療法(BNCT)用ホウ素製剤。
中性子線を当てると、薬剤から発生する放射線でがん細胞が破壊されます。

アキャルックスもそうですが、まったく新しい作用機序の薬剤が登場するとワクワクしますね!
第二のオプジーボになれるのか期待。

希少疾病・難病系

ゾルゲンスマ点滴静注

脊髄性筋萎縮症に使う遺伝子療法用の再生医療等製品。
2歳未満に使用可能な、AAVベクター製品です。

1億6707万7222円という史上最高額の薬価が決まったことで話題になりました。

ビルテプソ点滴静注

デュシェンヌ型筋ジストロフィーに使う、アンチセンス核酸医薬品。

アンチセンスにしてもRNAiにしても、作用機序がめっちゃスマートで個人的には好きなモダリティです。
DDSが改良されて、肝臓以外にも到達(集積)できるようになると良いですね。

ボンベンディ静注用

遺伝子組換えvon Willebrand因子製剤。
ようやく遺伝子組み換えの波が届きました。

今まで血漿由来の製剤しかなかったので、ボンベンディの登場でより安全に治療を継続できるんじゃないかなと期待しています!