新薬雑感:ミネブロ錠

まずは基本情報

販売名 ミネブロ錠1.25mg・2.5mg・5mg
名前の由来 薬効分類名「ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー」より「ミネブロ」と命名した。
一般名 エサキセレノン
製造販売会社 第一三共(株)
薬効 選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー
効能・効果 高血圧症
用法・用量 1回2.5mg 1日1回
効果不十分時、5mgまで増量可

高血圧ってこういう疾患

  • 血圧が正常よりも高い状態
  • 治療の基本は生活習慣の改善
  • 4月にガイドライン2019が刊行予定

高血圧は、その名のとおり血圧が正常よりも高い状態のことです。
日本には約4,300万人の高血圧患者がいます。まさに国民病ですね。

高血圧が原因の死亡者数は結構多く、年間10万人と推定されています。4)
死亡の直接の要因は脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血など)や心臓病(心筋梗塞、心不全)などです。
現状、脳卒中の50%以上、心血管病死亡の50%が、血圧が高いことが原因で起こっていると推定されています。4)

血圧の上が120mmHgかつ下が80mmHgを超えると、上記の疾患にかかるリスクや、それによって死亡するリスクが高くなります。4)
なので、ただ単に血圧を下げるだけではなく、脳梗塞や心筋梗塞にならないことを目標に治療を行います。4)

高血圧症の診断基準は、血圧が上140mmHg and/or 下90mmHg以上(以下、140/90のように記載します)。4)
糖尿病患者さんや慢性腎臓病患者さんなど、すでに脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高い人だと、130/80以上で高血圧と診断されます。4)

治療の基本は生活習慣の改善です。生活習慣病ですからね。4)
ガイドラインでは、以下の生活習慣を改善することが推奨されています。4)
1. 減塩:6g/日未満
2. 減量:BMI25以下(4kg以上の減量も効果あり)
3. 運動:有酸素運動中心に30分/日以上
4. 節酒:男性で日本酒1合/日以下、女性はその半分
5. 禁煙:受動喫煙も×
6. 野菜・果物・魚の積極的摂取
7. コレステロール・飽和脂肪酸の摂取を控える
8. 防寒・ストレス管理

全部やると心がツライと思うので、自分の心と身体と相談して、出来そうなものから始めた方が良いと思います。
目標血圧に達しなくても、生活習慣の改善で薬の数や量を減らすことは出来るので…。4)

生活習慣の改善だけでは目標血圧に達しなかった場合は、薬物治療を開始します。4)
基本的には単剤から始まりますが、血圧が高い(160/100以上)場合は2剤併用から始まることもあります。4)

第一選択薬は、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬。4)
合併症がある場合は、β遮断薬など他の薬剤を選択する場合もあります。4)

なお、高血圧治療ガイドラインは2019年4月に改訂が予定されています。5)
降圧目標が変わるかもしれないので、発刊後はチェック必須です!

 

ミネブロってこういうくすり

  • アルドステロン拮抗薬
  • 錠剤に斑点がみられることがある

ミネブロは、アルダクトンやセララと同じアルドステロン拮抗薬です。
K保持性利尿薬って言われたりもします。
インタビューフォームでは選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーって言ってますね。

上記の薬効名は、すべて作用機序に由来しています。

アルドステロンは腎臓の尿細管にあるミネラルコルチコイド受容体に結合して、尿中のナトリウムと水分を体内に戻し、代わりにカリウムを体内から尿中に排泄させる働きを持っています。3)

セララやミネブロは、このミネラルコルチコイド受容体に結合して、アルドステロンの作用を抑えます。
そのため、尿中にナトリウムと水分が多く排出されるようになり、血圧低下作用を示します。3)
この際、カリウムを尿中に排泄する作用を抑えるので、カリウム(K)保持性利尿薬とも呼ばれるんですね。

 

あと、薬効とは全然関係ないのですが、錠剤に斑点がみられることがあるようです。

【添付文書記載事項】
取扱い上の注意:
ミネブロ錠1.25mg及びミネブロ錠2.5mgは、錠剤表面に使用色素による黄色の斑点がみられることがある。
また、ミネブロ錠5mgは、錠剤表面に使用色素による赤色の斑点がみられることがある。

 

既存薬と違う点は?

セララと違う点は?

ミネブロはセララと比べて…

  • 禁忌が少ない
  • 効果は同等
  • 適応が少ない

セララと比べたミネブロの良い点は、禁忌が少ないところです。

セララでは禁忌だった「重度の肝機能障害」「中等度以上の腎機能障害」「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」「イトラコナゾール、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者」が、ミネブロでは慎重投与や併用注意になっています。。

慎重投与や併用注意に設定された理由は、以下のような感じ。

「重度の肝機能障害」
…中等度までの肝機能障害患者へ投与した結果、曝露量に影響を及ぼす明らかな影響が認められなかったため。2)
ただし、肝代謝型の薬剤であること、重度肝機能障害患者に対する投与経験がないことから、慎重投与に設定。2)

「中等度以上の腎機能障害」「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」
…各患者を対象とした臨床試験結果から、投与可能と判断されたため。2)
ただし、臨床試験が非盲検非対照で実施されたこと、例数が限られていることから、慎重投与に設定し、RMPに記載。2)

「イトラコナゾール、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者」
…イトラコナゾール併用投与結果から、一律でミネブロを減量する必要はないと判断されたため、併用注意に記載。2)

ザックリいうと「投与してみたら大丈夫そうな感じだったから。」ってところですかね。

 

ちなみに添付文書に記載されている定期的な検査が必要な項目も、ミネブロの方が少ないです。
といっても、こちらも作用機序でしっかり説明されているわけではないので、あくまでも現時点での状況、と考えています。

有効性は同等です。
本態性高血圧症患者を対象とした国内第3相試験で、ミネブロ2.5mg投与群のエプレレノン50mg投与群に対する非劣性が示されています。

注意点として、セララよりも適応の範囲が狭いです。
セララは高血圧症のほかに、25mg錠と50mg錠は慢性心不全の適応を持っています。
ミネブロの適応は高血圧症のみですので、セララの完全な代替にはなりません。

販売名 ミネブロ錠 セララ錠
(高血圧症に投与時)
用法・用量 1回2.5mg 1日1回
1回5mgまで増量可
1回50mg 1日1回
1回100mgまで増量可
減量基準 血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合:減量を考慮
中等度腎機能障害・アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者:1.25mgから投与開始し、投与開始から4週間以降を目安に2.5mgへ増量
CYP3A4阻害薬と併用:1日1回25mgを超えないこと
血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合:減量を考慮
重度の肝機能障害患者 慎重投与 禁忌
アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者 慎重投与 禁忌
中等度以上の腎機能障害患者 慎重投与 禁忌
重度の肝機能障害患者 慎重投与 禁忌
定期的な検査 血清カリウム値:投与開始前、開始or用量調節後2週以内、1ヵ月時点、その後定期的に
高リスク患者は、より頻回に測定
血清カリウム値:投与開始前、開始or用量調節後1週以内、1ヵ月時点、その後定期的に
高リスク患者は、より頻回に測定
肝機能検査:投与開始後1ヵ月を目安に、その後定期的に
血清ナトリウム値:定期的に

 

注意しておきたいことは?

注意

高カリウム血症(重要な特定されたリスク)
低血圧関連事象(重要な特定されたリスク)
腎機能障害(重要な潜在的リスク)
腎機能障害患者での安全性(重要な不足情報)
アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者での安全性(重要な不足情報)

注意すべき有害事象(RMP)

リスク リスク最小化活動の内容
重要な特定されたリスク 高カリウム血症 添付文書(禁忌、用法・用量に関連する使用上の注意、重要な基本的注意、重大な副作用、その他の副作用)および患者向け医薬品ガイドで注意喚起
低血圧関連事象 添付文書(重要な基本的注意、その他の副作用)および患者向け医薬品ガイドで注意喚起
重要な潜在的リスク 腎機能障害 添付文書(その他の副作用)で注意喚起
重要な不足情報 腎機能障害患者での安全性 添付文書(用法・用量に関連する使用上の注意、慎重投与、重要な基本的注意)および患者向け医薬品ガイドで注意喚起
アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者での安全性 添付文書(用法・用量に関連する使用上の注意、慎重投与、重要な基本的注意)および患者向け医薬品ガイドで注意喚起

高カリウム血症

国内第3相試験で、血清カリウム値が5.5mEq/L以上を示した被験者の割合がセララ群よりも大きかったこと、セララで禁忌になっている中等度腎機能障害&アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者がミネブロの投与対象になっていること2)から、重要な特定されたリスクに設定されました。

高カリウム血症は、血清中のカリウム濃度が5.5mEq/L以上になった病態のことです。
カリウムは心臓や筋肉、神経の働きを調節する働きを持っているため、高くなりすぎると心房細動や心停止を引き起こします。7)

通常、不要なカリウムは腎臓から排出されますが、腎臓の機能が落ちている人や、ミネブロのようにカリウムの排泄を抑える薬剤を飲んでいる場合は、身体にカリウムが蓄積しやすくなっているため、注意が必要です。

添付文書には、以下のように記載。

【添付文書記載事項】
用法及び用量に関連する使用上の注意:
1. 本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/L以上の場合は減量ないし中止し、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
2. 中等度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)のある患者及びアルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者では、1.25mgを1日1回投与から開始し、血清カリウム値など患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に2.5mgを1日1回投与へ増量する。効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる。

重要な基本的注意:
1. 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)2週以内及び約1ヵ月時点に測定し、その後も定期的に測定すること。特に、中等度の腎機能障害のある患者、アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者、高齢者、高カリウム血症を誘発しやすい薬剤を併用している患者では、高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがあるため、より頻回に測定すること。

併用禁忌(一部略):
1. カリウム保持性利尿剤、アルドステロン拮抗剤
2. カリウム製剤
血清カリウム値が上昇するおそれがある。

併用注意(抜粋、一部略):
1. アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、アリスキレンフマル酸塩、シクロスポリン 、タクロリムス、ドロスピレノン配合剤
血清カリウム値が上昇するおそれがあるので、血清カリウム値を定期的に測定するなど十分に注意すること。
2. 強いCYP3A阻害剤
本剤の血漿中濃度が上昇し、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがあるので、血清カリウム値を測定するなど、注意すること。
5. 非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用の減弱や、腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。

重大な副作用:
高カリウム血症(1.7%)
高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

低血圧関連事象

臨床試験ではプラセボ群やセララ群に比べて、低血圧関連事象の発現頻度が高い傾向は示されませんでした。
しかし、作用機序から過度の血圧低下が生じる可能性が否定できないため2)、重要な潜在的リスクに設定されました。

添付文書には、以下のように記載。

【添付文書記載事項】
その他の副作用:
8. その他(1%未満)異常感、低血圧
上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。

腎機能障害

国内第3相試験で、ミネブロ投与によるeGFRの低下の程度がプラセボやセララ群よりも大きい傾向が示されていること、腎機能低下により高カリウム血症が発現する可能性があること2)から、重要な潜在的リスクに設定されました。

添付文書には、以下のように記載。

【添付文書記載事項】
その他の副作用:
6. 泌尿器(1%未満)
腎機能障害、GFR減少、血中クレアチニン増加、BUN上昇

腎機能障害患者での安全性

中等腎機能障害患者を対象とした国内第3相試験にて、RA系阻害薬の併用下でミネブロを投与した結果、血清カリウム値が5.5mEq/L以上を示した被験者が12.1%と高頻度に認められています2)
一方で本試験は非盲検非対照試験であり、例数も58例と限られた例数であったこと2)から、重要な不足情報に設定されました。

もともと、ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーを腎機能障害患者に使った場合、高カリウム血症の発現リスクが高いと考えられています。2)
実際、類薬のセララは中等度以上の腎機能障害患者は禁忌になっています。6)

ミネブロの場合は、重度腎機能障害患者は禁忌ですが、中等度は慎重投与に設定されています。3)
なので、使えることは使えるけど、もうちょっと情報が欲しいね…ということで設定されたと考えています。

添付文書には、以下のように記載。

【添付文書記載事項】
禁忌(抜粋):
3. 重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者[高カリウム血症を誘発させるおそれがある。臨床試験における投与経験はない。]

用法及び用量に関連する使用上の注意(抜粋):
2.中等度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)のある患者及びアルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者では、1.25mgを1日1回投与から開始し、血清カリウム値など患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に2.5mgを1日1回投与へ増量する。効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる。

慎重投与(抜粋):
1. 中等度の腎機能障害のある患者

重要な基本的注意(抜粋):
1. 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)2週以内及び約1ヵ月時点に測定し、その後も定期的に測定すること。
特に、中等度の腎機能障害のある患者、アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者、高齢者、高カリウム血症を誘発しやすい薬剤を併用している患者では、高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがあるため、より頻回に測定すること。

併用注意(抜粋):
5. 非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用の減弱や、腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。

アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者での安全性

アルブミン尿を有する2型糖尿病合併症患者を対象とした国内第3相試験が非盲検非対照試験であり、例数も51例であったこと2)から、重要な不足情報に設定されました。

こちらの患者さんも高カリウム血症の発現リスクが特に高いと考えられており2)、類薬のセララは禁忌です。6)
ミネブロは慎重投与ですね。3)

添付文書には、以下のように記載。

【添付文書記載事項】
慎重投与(抜粋):
2. アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者

重要な基本的注意(抜粋):
1. 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)2週以内及び約1ヵ月時点に測定し、その後も定期的に測定すること。
特に、中等度の腎機能障害のある患者、アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者、高齢者、高カリウム血症を誘発しやすい薬剤を併用している患者では、高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがあるため、より頻回に測定すること。

余談:性ホルモン関連の有害事象は?

類薬のスピロノラクトンで問題になっていた性ホルモン関連有害事象(女性化乳房とかですね)については、今のところ特別な注意喚起をする予定はないようです。

審査報告書には、以下のように記載されています。

【審査報告書記載事項】
・現時点では、臨床試験成績から、本剤投与により性ホルモン関連有害事象の発現が懸念される傾向は示されていないこと
スピロノラクトンと比較して本剤のMRに対する選択性が高いことが示されていること
・本剤と同様、スピロノラクトンよりもMRに対する選択性が高いとされているエプレレノンにおいても、性ホルモン関連の副作用が少ないことが示されていること

というわけで、今のところはセララと同程度に注意しておけば良いかなーと思います。

 

まとめ

本剤投与が有用な患者像

  • アルドステロン拮抗薬を使いたいけど、セララが使いづらい患者
[hukidashi name=”りんご” icon=”/wp-content/uploads/2018/01/ringo.png” type=”left lp”]セララと一緒の位置づけかと。[/hukidashi]

現状、使用経験が少ないセララです(雑評価)。
ただ、ミネブロは禁忌が少ないので、「セララが使いたいけど、禁忌なんだよね~…。」って場合に選択肢に上がってくるのかなぁと思います。

ちなみにアルドステロン拮抗薬が有用な病態は、低レニン性高血圧症(食塩感受性本態性高血圧など8))、治療抵抗性の高血圧、心筋梗塞後や心不全を合併している高血圧症、二次性高血圧の原発性アルドステロン症などです。3),4)

海外でも発売されていませんし、これから評価が定まる薬剤ですね~。
使用経験が蓄積されてきたら、上記病態の高血圧症患者さんに対して活躍が見込めそうです。

類薬の投与を検討すべき患者像

  • 上記以外
[hukidashi name=”みかん” icon=”/wp-content/uploads/2018/01/mikan.png” type=”right lg”]引き続き、第一選択薬ではない。[/hukidashi]

まず前提として、アルドステロン拮抗薬は第一選択薬ではありません。4)
第一選択薬の併用だけではうまく血圧が下がらない人に使われる薬剤です。4)

この点に関しては、ミネブロ発売後も引き続き同じ位置づけのままだと思われます。(ガイドライン2019が待ち遠しい~。)

ミネブロとセララのどちらを優先して使うのか、ですが、個人的にはセララかなと。
ミネブロは海外未発売なので、使用経験が圧倒的に少ないのがやっぱり不安。

一応、ミネブロは非ステロイド骨格の薬剤であること3)、ラットおよびウサギの各種ステロイドホルモン受容体に対する結合性を調べた結果、既存薬よりもミネブロのIC50が低めだったこと3)から、既存薬よりも副作用が少ない可能性はあります。

でも、第3相試験を見る限りでは、そういったデータでもなさそうです。
なんならミネブロ群の方が、副作用が多くみえる3)。(注:差異は検証されていません。)

 

アルドステロン拮抗薬が活躍する場面自体は確実に存在しますので、当面は安全性の確立を最優先にしていただきたいな、と願っています。

 

参考文献
1)「ミネブロ錠」の高血圧症に係る国内製造販売承認取得のお知らせ, 第一三共(株), https://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006958.html.
2)審査報告書, PMDA, http://www.pmda.go.jp/drugs/2019/P20190109003/430574000_23100AMX00011000_A100_1.pdf.
3)ミネブロ錠1.25mg・2.5mg・5mg, 添付文書, インタビューフォーム, 新医薬品の使用上の注意の解説.
4)高血圧治療ガイドライン2014, 日本高血圧学会, http://www.jpnsh.jp/guideline.html.
5)2019年発表予定の高血圧治療ガイドライン作成状況と高血圧治療の考え方についてのお知らせ, 日本高血圧学会, http://www.jpnsh.jp/topics/620.html.
6)セララ錠25mg・50mg・100mg, 添付文書, インタビューフォーム,
7)高カリウム血症, 日本医事新報社, https://www.jmedj.co.jp/premium/treatment/2017/d070904/.
8)高血圧患者の低レニン・低アルドステロン値をどう考える?, 日本医事新報社, https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3943.
9)RMP, PMDA, https://www.pmda.go.jp/files/000228418.pdf.

2019.01.23 公開
2019.03.04 RMPの情報を追記