6月6日、低セレン血症治療薬のアセレンド注が発売されました。
アセレンド注
販売名(一般名) | 製造販売会社 | 備考 |
アセレンド注100μg (亜セレン酸ナトリウム) |
藤本 | 適応:低セレン血症 |
(藤本製薬webサイトより)
はいセレンの注射剤ですね!
セレンは必須微量元素のひとつで、通常の食生活をしている分にはほとんど欠乏症の懸念はありません。2)
一方で、セレンを含んでいない経腸栄養剤や特殊ミルクのみで栄養を摂取する場合、セレン欠乏症になる可能性があります。2)
セレンは欠乏しても過剰でも良くないので、セレンを含んでいない静脈栄養・経腸栄養を行っている患者さんには、推奨量に基づいてセレンを補充するとともに定期的(月1回~数ヵ月に1回)血清セレン値を測ることが望ましいとされています。2)
ただ、今までセレンを補充するための医薬品は存在しておらず、院内製剤で作るか、栄養機能食品などで補給するに留まっていました。
治療指針ではテルモの栄養機能食品であるテゾンがオススメされてますね。
そんな中、医療上の必要性が高いとして開発要請されて出てきたのがアセレンドです。3)
セレン単剤なので、他のミネラルの推奨量などを考えないで良いのが良き。
点滴でも静注でも使えるよ。
使うのは長期入院の方がメインなのかなーと思いますが、在宅患者さんの中にも必要な方が多そうです。
例えばエンシュアにはセレンが入ってないので、エンシュアが出ている患者さんがセレンの補充をされてないようなら、血清セレン値の測定を提案しても良いかも…?
ちなみにセレンが入っている経腸栄養剤(医薬品のもの)は、エネーボとイノラスです。
ラコールにも入ってるのかな…?
添付文書で「栄養成分」としてではなく「参考」として掲載されているのがちょっと良くわからんです。
知ってる方教えてください~。
参考 アセレンド注100μg新発売のお知らせ[PDF]藤本製薬
2)セレン欠乏症の治療指針2018, 日本臨床栄養学会, http://www.jscn.gr.jp/pdf/selenium20190301.pdf.
3)第3回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議資料, 厚生労働省, https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/dl/s0427-12f.pdf.