新医薬品等の製造販売が承認されました(2019年6月)

りんご
2019年6月18日、新医薬品と報告品目が承認されました!
みかん
薬価収載は8月の見込みです。

製造販売承認品目の一覧

今回承認された新医薬品・報告品目の一覧です。
会社名をクリックすると、各社のニュースリリースに飛びます。
(直PDFのリンクもありますので、ご注意ください。)

新医薬品(緊急薬価収載)

抗HIV薬は毎回緊急薬価収載されるので、シムツーザも多分早めに収載されると思います。

(2019.6.28追記)
2019.6.26の中医協で薬価収載が了承されました。
収載日は2019.7.3です。

参考 中央社会保険医療協議会 総会(第417回)資料厚生労働省
販売名(一般名) 製造販売会社 備考
シムツーザ配合錠
(ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
ヤンセン 適応:HIV-1感染症

新医薬品(8月薬価収載見込み)

ミニリンメルトは新規格ですね。
既存の60μg・120μg・240μgは協和発酵キリン販売、今回承認の25μg・50μgはフェリング販売・キッセイがコ・プロです。

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
ヴァンフリタ錠17.7mg・26.5mg
(キザルチニブ)
第一三共 FLT3阻害剤
適応
:再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病
ミニリンメルトOD錠25μg・50μg
(デスモプレシン酢酸塩水和物)
フェリング
*コ・プロ:キッセイ
適応:男性における夜間多尿による夜間頻尿
ロズリートレクカプセル100mg・200mg
(エヌトレクチニブ)
中外 適応NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
アジマイシン点眼液1%
(アジスロマイシン水和物)
千寿 適応
〈適応菌種〉
アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、コリネバクテリウム属、インフルエンザ菌、アクネ菌
〈適応症〉
結膜炎
眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎
イナビル吸入懸濁用160mgセット
(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)
第一三共 適応:A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
ビベスピエアロスフィア28・120吸入
(グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)
アストラゼネカ COPD治療配合剤
適応
:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
ビレーズトリエアロスフィア56・120吸入
(ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)
アストラゼネカ COPD治療配合剤
適応
:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
ロナセンテープ20mg・30mg・40mg
(ブロナンセリン)
大日本住友 適応:統合失調症
オンパットロ点滴静注2mg/mL
(パチシランナトリウム)
Alnylam Japan RNAi治療薬
適応
:トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
(インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え))
ノボ トレシーバとビクトーザの配合剤
適応
:インスリン療法が適応となる2型糖尿病
デファイテリオ静注200mg
(デフィブロチドナトリウム)
日本新薬 適応:肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)
ポートラーザ点滴静注液800mg
(ネシツムマブ(遺伝子組換え))
リリー
*日本化薬に承継予定
抗EGFR抗体製剤
適応
:切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌
ユルトミリス点滴静注300mg
(ラブリズマブ(遺伝子組換え))
アレクシオン 抗補体(C5)抗体製剤
適応
:発作性夜間ヘモグロビン尿症

報告品目(11月薬価収載見込み)

アバスチンのバイオシミラー第一号はファイザーでした。
ただし適応は直腸・結腸がんのみ。

とはいえ直腸・結腸がんでアバスチンはかなり使われてると思うので、BSを採用する施設は多いと予想してます。
リツキサンBS的な採用動向になるんじゃないかしら…?

販売名(一般名) 製造販売会社 備考
ベバシズマブBS点滴静注100mg・400mg「ファイザー」
(ベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続1])
ファイザー 適応:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

 

留意事項通知が出ています

アジマイシン:耐性菌の発現等を防ぐため、用法・用量を遵守すること

アジマイシンは薬剤耐性(AMR)関連の留意事項が出てます。
耐性菌の発現を防ぐため、用法・用量を遵守してね!とのこと。
用法・用量は以下のとおり。

【用法・用量】
〈結膜炎〉
通常、成人及び7歳以上の小児には、
1回1滴、1日2回2日間、
その後、1日1回5日間点眼する。

〈眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎〉
通常、成人には、
1回1滴、1日2回2日間、
その後、1日1回12日間点眼する。

 

アジスロマイシン水和物点眼剤(販売名:アジマイシン点眼液1%。以下「本剤」という。)については、本日、適応菌種「アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、コリネバクテリウム属、インフルエンザ菌、アクネ菌」、適応症「結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎」を効能又は効果として製造販売が承認されたところであり、本剤の投与期間は、「用法及び用量」の欄において、結膜炎については7日間、眼瞼炎、麦粒腫及び涙嚢炎については14日間とされています。
近年、不適正な抗菌薬の使用による薬剤耐性菌及びそれに伴う感染症の増加が国際的に問題となっており、抗菌薬のより一層の適正使用が求められています。
つきましては、本剤の投与に当たっては、耐性菌の発現等を防ぐため、用法及び用量を遵守するよう患者に十分指導をしていただくなど、適切に対応していただくよう、貴管下の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします。

ユルミトリス:髄膜炎菌感染症に注意すること

抗補体(C5)抗体製剤のユルミトリスは、終末補体複合体C5b-9産生を抑制する働きを持っています。

終末補体複合体C5b-9は、髄膜炎菌等の莢膜形成細菌に対する免疫機能に関与しているため、重度の感染症や敗血症、特に髄膜炎菌等感染症に対する免疫機能が低下する可能性があること5)から、留意事項通知が出ています。

ラブリズマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:ユルトミリス点滴静注 300mg)(以下「本剤」という。)については、本日、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を効能・効果として承認したところですが、本剤については、髄膜炎菌感染症の発症のリスクが高まることが懸念されること等から、その使用に当たっては、特に下記の点につきご留意いただくよう貴会会員あてに周知をお願いします。

1.本剤については、承認に際し、製造販売業者による全症例を対象とした使用成績調査、適正な流通管理の実施等をその条件として付したこと。(略)

2.本剤の警告及び効能・効果に関連する使用上の注意の記載は以下のとおりであり、髄膜炎菌感染症の発症のリスクには特段の留意をお願いすること。なお、その他の使用上の注意についても別添の添付文書を参照されたいこと。(略)

3.本剤については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第145号)第79条に基づき、承認取得者である製造販売業者に対し、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施」するよう義務付けたので、その調査の実施にご協力願いたいこと。

 

参考文献
1)各社プレスリリース
2)各製品添付文書
3)アジスロマイシン水和物点眼剤の使用に当たっての留意事項について, 令和元年6月18日, 薬生薬審発0618第10号, 薬生安発0618第5号.
4)
ラブリズマブ(遺伝子組換え)製剤の使用に当たっての留意事項について, 令和元年6月18日, 薬生薬審発0618第9号.
5)ユルミトリス点滴静注300mg, インタビューフォーム.

2019.6.19 公開
2019.6.28 シムツーザの薬価収載日と留意事項通知の内容を追記