2月18日、新医薬品が薬価収載されました

2月10日に開催された中医協で、新医薬品の薬価収載が了承されました。
2月17日に告示され、2月18日に薬価収載されました。

2021年2月18日収載の新医薬品

販売名(一般名) 規格単位 薬価
テリルジー200エリプタ14吸入用・30吸入用
(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
14吸入1キット
30吸入1キット
4,764.50円
10,098.90円
ラスビック点滴静注キット150mg
(ラスクフロキサシン塩酸塩)
150mg1キット(希釈液付) 4,034円

留意事項通知が発出

薬価収載の告示と同日付で、留意事項通知が出ています。

テリルジー200:14日投薬期間制限の対象外

テリルジー200は、すでにテリルジー100が収載&気管支喘息の適応を持っていることから、14日処方制限の対象外になりました。

2 薬価基準の一部改正に伴う留意事項について
(2)テリルジー200エリプタ14吸入用及び同エリプタ30吸入用
本製剤は、既に薬価収載後1年以上を経過しているテリルジー100エリプタ14吸入用及び同エリプタ30吸入用(以下「既収載品」という。)と有効成分が同一であり、今般、既収載品において気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)に係る効能・効果及び用法・用量が追加されたことに合わせ、当該用法・用量に必要となる製剤として承認された医薬品であることから、掲示事項等告示第10第2号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること

ラスビック点滴:最小限の期間の使用にとどめること

ラスビック錠と同じ留意事項です。薬剤耐性(AMR)対策ですね。

2 薬価基準の一部改正に伴う留意事項について
(1)ラスビック点滴静注キット150mg
本製剤の重要な基本的注意において、「本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。

薬価の決めかた

テリルジー200:規格間調整で算定

テリルジー200は、テリルジー100との規格間調整で算定されました。

テリルジー200エリプタ30吸入1キット:10,098.90円(1日薬価:336.60円)
テリルジー100エリプタ30吸入1キット:8,853.80円(1日薬価:295.10円)

アメリカだと30吸入1キット6万円なのにビックリ。
アメリカの薬価は異常。

ラスビック点滴:類似薬の平均1日薬価と薬価合わせ

過去10年間に薬価収載されたキノロン系抗菌薬の点滴静注製剤がないため、直近で収載されたクラビット点滴静注の1日薬価と合わせて算定されたと思われます。
算定方式は類似薬効比較方式(II)。

ラスビック点滴静注150mg1キット:4,034円(1日薬価:4,034円)
クラビット点滴静注バッグ500mg/100mL:4,044円(1日薬価:4,044円)

(2)過去10年間に薬価収載された薬理作用類似薬がない場合
イ 当該新薬の一日薬価と、直近に薬価収載された薬理作用類似薬の当該新薬と類似する効能及び効果に係る一日薬価とが、同一となるように算定された、当該新薬の薬価算定単位あたりの費用の額

クラビット点滴静注の薬価収載日は2010年12月10日でした。
そうかぁー2010年ってもう10年以上前なのかぁ-。

参考文献
1)中央社会保険医療協議会 総会(第475回) 医薬品の新規薬価収載について, 厚生労働省, https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00090.html.
2)薬価算定の基準について, 保医発0210第3号, 2021年2月10日.
3)使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について, 保医発0217第2号, 2021年2月17日.